アートフェア札幌 2014
HAPPENINGText: Hanae Kawai
アートフェアでは、作品購入を躊躇しないこと。アート作品との出会いは一期一会。その時を逃せば、二度と手に入らないといってもいい。たしかに、購入するのには金銭面での勇気がいる。しかし、アート作品は全てが高価格ではない。もちろん質の高い作品はそれなりの値段がするが、実は探せばリーズナブルに作品購入ができるものも沢山あるのだ。そうやって、買いやすい作品の中から自分のお気に入りを探すのもアートフェアのひとつの楽しみ方だ。
1406号室 アインシュタイン・スタジオ(東京)
今回のアートフェア札幌でも、例えばアインシュタイン・スタジオ(東京)では、JAPAN PHOTO AWARD受賞者たちの作品を展示。その一人である矢野信夫の写真はフレーム付きで2万円で買えてしまう。さらには、世界的現代アーティスト、ジェフ・クーンズの作品も、ポスターとなれば2000円程度で購入できる。
1307号室 ギャラリー水無月(岐阜)
ギャラリー水無月(岐阜)では小作品から絵画やモビールまで、様々なアート作品が賑やかな空間を作り出した。その中には、ひとつ2500円で販売された彫刻家・HUITの木彫りの作品も。窓際いっぱいに並べられたその作品からは、ひとつひとつ異なるストーリーを感じることができる。
もちろん購入につなげるのがベストだが、観て楽しんでアートと繋がるのもとても大切。その方法として3人のギャラリストがおすすめするのは、見たことある!聞いたことある!というアーティストの作品を見つけながら楽しむこと。知っているアーティストを探して楽しむだけでも興味が湧き、アートがもっと身近に感じられるはずだ。
1305号室 YODギャラリー(大阪)
今回の出展作家・作品もなかなかの有名人たちがいる。例えば、YODギャラリー(大阪)では、日本を代表する作家・三島由紀夫が被写体となった細江英公の薔薇刑から2点が展示された。同じく、細江英公が撮ったニューヨーク留学時代の草間彌生も今回初展示ということで注目を集めた。そして「アラーキー」として知られる荒木経惟の作品も緊縛シリーズからバスルームに2点展示された。
1403号室 ギャラリー小暮(東京)
ギャラリー小暮(東京)では、北海道三笠市出身で世界的な芸術家・川俣正の作品「Fence Passage Start From Alte Oper And Continue That Park」も展示。プロジェクトの写真がコラージュされたこの作品は、立体ではなく平面だが、部屋のなかで堂々と飾られているのは圧巻であった。大きな美術館でなくても、有名作家たちの精巧な作品が楽しめるということを知っておいてほしい。
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