草間彌生美術館

PLACEText: Mike Sullivan

東京の新宿に、一見変わった建物が現れた。早稲田駅と牛込柳町駅にほど近い日本的な建物が密集するこの地域に、真っ白な壁と大きな窓というシンプルな作りの建物は却って人の目を引き、興味をそそられる。これが2017年10月にオープンした草間彌生美術館だ。現在開催中の開館記念展では、草間の最新作を観ることができる。

1F Museum Exterior
Yayoi Kusama Museum, 1F Museum Exterior © YAYOI KUSAMA

1929年長野県松本市生まれの前衛芸術家である彼女のアートは、幼少期の幻視・幻聴体験をもとにした網目模様や水玉が主なモチーフとなっている。第二次世界大戦後、京都市立美術工芸学校で日本画を学び、その後1957年に渡米。60代の頃には前衛芸術家としての地位を築き、1973年までニューヨークを拠点に活動していた。その後拠点を新宿に移し、今でも精力的に活動している。2014年には世界で最も人気のアーティストに選出され、2016年には文化勲章を受章した。

Portrait of the artist
Portrait of Yayoi Kusama © YAYOI KUSAMA

美術館開館に際し、草間はこうコメントしている。『この度、私の終生の念願であった草間彌生美術館を建て、みなさまに作品を見て頂きたいという心からの希望が達せられました。これは私の生涯における最大の感激であります。この草間彌生美術館に込めた思想や、全ての最愛なる人類へ捧げる愛を込めたわたしの一生と、生涯を通してきた芸術への努力の真情を見て、感じ取って頂ければこれに勝る喜びはありません。』

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