ART OSAKA 2025
大阪が2025年大阪・関西万博の開催で世界の人々を迎える中、ART OSAKA 2025は、大阪の文化圏に魅力的なオプションを提供する。日本で最も長い歴史を持つ現代アートの見本市の第23回目は、6月5日から9日まで、2つのエリアで開催され、伝統的なギャラリーでの展示、モニュメンタルなサイトスペシフィック・インスタレーション、実験的な映像作品など、様々なアートの実践を探求する来場者を迎えた。
国内外から60以上のギャラリーが参加するART OSAKA 2025は、歴史的な大阪市中央公会堂の洗練された優雅さと、元造船所からアートの中心地へと変貌を遂げた北加賀屋の生々しい工業的な魅力の架け橋となる。最先端のメディアアートから詩的な彫刻作品まで、このフェアは進化を続ける日本のコンテンポラリーアートシーンの鼓動をとらえ、そのルーツと世界的な展望の両方を祝福する。
大阪市中央公会堂 Photo: Yuico Taiya, Courtesy of ART OSAKA
ART OSAKAの中心的な存在であるGalleriesセクションは、大阪市中央公会堂で展開された。この公会堂は、大正期の大阪の近代化を象徴するネオルネッサンス建築の傑作で、今年は初めて建物全体がアートフェアのために使用され、現代アートが歴史的な公会堂に新たな空間と文化的な共鳴をもたらした。ステンドグラスの天井と華麗なアーチの下で、来場者は、会場の壮大さと遺産に呼応する厳選された現代アート作品に出会う。
© Kazuma Koike
国内外から44のギャラリーが参加するGalleriesセクションは、コレクター、キュレーター、そして愛好家が集う活気あふれる交流の場となっている。中堅・新進気鋭のアーティストの作品を厳選し、最新のアートトレンドを豊かに捉えている。初参加のAISHO(東京/香港)、EUKARYOTE(東京)、COHJU(京都)などは新鮮な視点をもたらしている。例えば、AISHOから出品された小池一馬の作品は、世界の歴史とハイブリッドな神話を融合させた架空の古代遺物のようで、精神的なシンクレティズムと共鳴し、神道と仏教のシンボリズムをグローバルな視点から捉えている。
EUKARYOTE ブース Photo: Courtesy of ART OSAKA
EUKARYOTEは、風景画と抽象画を融合させた没入感のある絵画で知られる菊池遼や、絵の具の表面をはがす過程で記憶と時間の亡霊のような痕跡を浮かび上がらせる品川はるなといったアーティストを紹介。COHJUは、夢幻的なキャンバスで幼少期の回想と民話を織り交ぜる白石効栽や、日本の民藝運動のレンズを通して絵画と伝統工芸の境界を探求する長沢楓など、新進気鋭の才能を紹介する。
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