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ギャラリー・ウィークエンド 2014

HAPPENINGText: Kiyohide Hayashi

アートの季節と言えばいつを思い浮かべるだろうか。多くの人は「芸術の秋」の言葉のように秋を思い浮かべることだろう。だがベルリンでは秋だけでなく春もアートを楽しむことができる。なぜなら毎年4月下旬から5月上旬にかけてギャラリー・ウィークエンドと呼ばれるイベントが開催されるからだ。そこでは多くのギャラリーが時期を合わせて展覧会を開始し、同時に様々な関連イベントを行なう。こうしたイベントではベルリンのアートシーンに起きていることを感じることができるだろう。そんなギャラリー・ウィークエンドについて報告することにしたい。

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Galerie Neu

2014年のギャラリー・ウィークエンドは5月2日から4日、金曜日から日曜日までの週末3日間にわたって開催された。ベルリンのアートシーンになくてはならないものとなったイベントだが、意外なほどその歴史は新しい。2005年に始められており、今年2014年で10年目を迎えた。当初20軒のギャラリーで始められたイベントは年を追うごとに参加数が増え、今では倍以上の50軒が参加している。参加ギャラリーは国際的なアートフェアに参加するエリートギャラリーが多く、イベントへの参加がステータスとなるほど。だからこそ、このイベントでは質の高い展示を見ることができるのだ。

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NEGATIVE PLATE (MOULES FRITES), 2014, China plates, polyester resin, polyurethane lacquer, silicone, mussels shells, 30 x 30 x 11 cm

ギャラリー・ウィークエンド自体は週末のみの開催だが、そこで始まる展覧会は週末以後も継続される。そのためイベントがなぜ重要なのか疑問に感じる人もいるかもしれない。その答に挙げられるのは短期間で多くの展覧会を訪れられること。時期を合わせて展覧会が開催されるため、展示替えなど休廊を避けることができる。また多くのオープニングレセプションが開催されるため、アートシーンに漂う雰囲気はいつもより華やか。こうしたこともあってドイツ国内外から多くの人が訪れ、それを見越してギャラリーは力を入れた展示を行なうことになる。つまりギャラリー・ウィークエンドでは短時間で重要な展示をまとめて見ることができるのだ。

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