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アートフェア札幌 2014

HAPPENINGText: Hanae Kawai

アートは観て楽しむもの、買って楽しむのは、ほんのひとにぎりの人々のため。そんな意識がいまだ多くの日本人のなかにある。近年では、そんな固定観念を壊そうと、世界中のギャラリスト、アーティスト、コレクター達が動き始めている。日本でも東京を中心に、人々とアートを繋ぐイベントが増え始めた。しかしながら、その波はまだ北海道には届いていないように感じる。コマーシャルギャラリーの少なさ、本州で人気の企画展や舞台などが北海道には共有されないなどの理由で、いまだアートと北海道民との溝は一際深い。そんななかでのアートフェア札幌の開催は、札幌・北海道のアートシーンを変える大きなチャンスなのだ。

アートフェア札幌 2014

アートフェア札幌は今回で2回目を迎えた。一般公開は、11月23日(日)から24日(月)。来場者は、22日(土)のプレビューと合わせると1,500人を超えた。会場は昨年に引き続き、クロスホテル札幌。SAPPORO CITY JAZZとのコラボレーション「ジャズ展」やART-Xと題しホテル館内でアート作品を展示する企画を行うなど、文化的イベントに積極的なホテルのひとつである。それぞれのギャラリーが13・14階のひと部屋づつを使用し、自由にアート作品を展示していく。クロスホテル札幌は部屋のデザインが様々で、それぞれの部屋で全く異なる空間を楽しむことができるのが特徴だ。

アートフェア札幌 2014
[アートフェア札幌2014 特別企画] 青幻舎ポップアップ・ストア

また今回はデポジット制を導入し、作品・物販購入者には会計の際に返金するというちょっぴりお得な仕組み。さらに、今回の特別協賛として、ミシュラン一つ星レストラン「ル・ミュゼ」の食事券を先着5名の作品購入者にプレゼントという企画も行われた。こうしたちょっとした工夫と各ギャラリーの協力のおかげで、売り上げも前年を上回るものとなった。

アートフェア札幌 2014
「ル・ミュゼ」では、小林俊哉の作品展示を行った

国際的な現代アートの見本市というだけあって、今年も多くの実力派ギャラリーが集まった。参加した18ギャラリーのうち、東京からはギャラリー小暮、モグラグ・ガレージを含む7つのギャラリーが参加。関西からは同時代ギャラリー(京都)、YODギャラリー(大阪)、ギャラリー アウト・オブ・プレイス(奈良・東京)、中部からはギャラリー点(金沢)とギャラリー水無月(岐阜)が参加した。海外からは、アジア圏の3つのギャラリー、オフィス339(上海)、リソウル・ギャラリー(ソウル)、ギャラリー・グラン・シエクル(台北)が参加。道民が、わざわざ遠出する必要もなく、これだけの質の高いギャラリーの作品をいっぺんに楽しむことができる機会は、現時点の北海道でアートフェア札幌しかありえない。

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