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ドクメンタ 12

HAPPENINGText: Yoshito Maeoka

ノイエ・ギャラリー。この会場に足を踏み入れてまず気づいた事は、会場の壁がこの展覧会にあわせてペイントされている、という事だった。つまり、通常“ホワイトキューブ”として機能しているこの美術館を、今回のドクメンタのコンセプトにあわせたかの如く、20世紀以前の美術館の様に仕立てている様に見えた。

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Eleanor Antin, The Angel of Mercy, 1977

そのような環境の下で見る、ヨーロッパ趣味をベースとし、悪趣味を加えて再構築したホアン・ダヴィラや20世紀初頭を舞台としたエレノア・アンティンのナイチンゲールのパフォーマンスのドキュメンテーションも、“異空間”の中で提示されることにより、作品本来の背景、“歴史的”な位置づけを離れ、パラレルな歴史を疑似体験しているかのようだった。

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Atsuko Tanaka, Calendar, approx 1954

そういった疑似体験、という意味では、私にとってなじみ深い田中敦子の数字のドローイング等も、ナスレーン・モハメディ等他の作家の作品とともに展示されることにより、具体派/田中敦子というコンテクストを離れて一人の作家としてフォーカスされ、その作品の位置づけを周りの作品とともに再解釈している様に見えて興味深かった。

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Annie Pootoogook, 2003-2006

ドローイングといえば、この会場はとりわけドローイングや写真等の小品が多かった様に思う。アニー・ポートーゴークは家族団欒、テレビ鑑賞、夜の生活等、イヌイットの日常を綴った絵画、熊やアザラシ猟といった従来のイヌイット・アートとして紹介されていたテーマとは全く違ったアプローチで展開していた。

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Nedko Solakov

「鉄のカーテン」崩壊後最初期に紹介された東欧の作家であるネド コ・ソラコフも彼の日常生活の中の悩み等をテーマとした繊細なタッチのモノトーンのペインティングを数多く展示していた。

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Alina Szapocznikow, Fotorzezba, 1971

他には、インドにおける日常生活やグローバリゼーションのプロセス等社会的なテーマをコンテクストにしつつも不釣り合いなコラージュをはめ込む事によりクスっとおかしいCK・ラジャンの一連の作品、チューイングガムを噛んだ結果偶然にできた“彫刻”を一連の写真作品として提示し“創造性”を問い直すアリナ・シャポチュニコウの作品などが印象的だった。

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