ドクメンタ 12
HAPPENINGText: Yoshito Maeoka
ではまず、例年会場となっているフリデリチアヌム美術館から簡単に目を向けて行こう。ここは公共の交通機関である路面電車より一番目につく場所に位置しており、一般的な待ち合わせ場所となってもいるし、多くの人がまずここを訪れるように思う。
Hito Steyerl, Lovely Andrea, 2007
最上階にはヒト・ステイルの日本のSMカルチャーについてのドキュメントが吹き抜けの空間の向こうに投影されていた。ポルノグラフの一ジャンルとして消費されている日本のSMカルチャーを社会的に、講義的な意味を見いだそうとする試みだった。
Hu Xiaoyuan, A Keepsake I cannot give away, 2005
繊細で時としてエロティックな要素を醸し出すモチーフを主集にしたフー・シャオヤンのインスタレーションも布の持つ柔らかな表情と線の繊細さがとても印象的だった。
その他白眉なものとしてトリシャ・ブラウン指揮によるパフォーマンスだろうか。彼女のように現代美術ではない領域での仕事がこの展覧会のコンテクストの上に乗っているのもちょっとしたこの展覧会の特徴のように思える。
Atsuko Tanaka, Electric Dress, 1956
その他、具体派、田中敦子の「電気服」などが展示されていた。
続きを読む ...
【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。