蛍光灯のモンスター。
日常生活で感じたこと、そこに現れる説明不可能な違和感や不気味さをインスピレーションに、絵画、オブジェ、インスタレーションなどの作品を手がけるアーティスト、東恩納裕一氏。言葉では説明しにくい、複雑で曖昧模糊とした不気味なものが作品というフィルターを通して、視覚的により鮮明に見る者に訴えかけてくる。最近では、世界最大のガラスに関わるアーティストのためのアワード「ボンベイ・サファイア プライズ2008」で日本人初の受賞を果たし、5月16日より「CALM & PUNK GALLERY」にて開催される個展「refract!」を間近に控えた東恩納氏にご自身や作品についてお話を伺った。

"untitled(chandelier-VII)" 2005
125×110×99(h) cm, 蛍光灯、アルミフレーム、配線コード、結束バンド、安定器, ed.1/2
© Yuichi Higashionna Courtesy:Yumiko Chiba Associates
はじめに自己紹介をお願いします。
切り取られた時代のフェイク。
親子2代にわたり挑発的なアプローチのファッション・フォトグラファー、故ボブ・リチャードソンとテリー・リチャードソン親子の写真展が同時期に別々の場所で開催された。

© Bob Richardson
外の世界はストリートアートで溢れている。
今でも鮮明に覚えている。初めてニューヨークのストリートアートと出会ったときの衝撃を。数年前にウィリアムズバーグを歩いていた時のこと、ドア枠から見つめる印象強い少女の顔に私は歩みを止めた。それは細部まで細かく描かれた木版画をドアに貼付けたもので、後にストリートアーティストのSwoonによるものであることを知ることとなる。歩みを進めると、Faileによる安っぽい小冊子の表紙のようなステンシルを木製の足場に見付けた。そして、この瞬間を境に、私は夢中になっていった。ちょっとした辛抱強さと共に、あなたもストリートアートを楽しむことができる。

Faile © Luna Park
シェイン・イーマンと仲間たち。
2008年3月20日から4月20日まで、トーキョーワンダーサイト本郷にて企画公募展「ノーマディック展ーシェイン・イーマンと仲間たちー」が開催された。
『全てのものの背後にある愛を捕まえ、分ち合うこと、それが僕の使命』。
彼は物語や脚本を書き、その中の登場人物の着る服をデザインし、それからそのデザインした服を着ている人物が登場する物語を映画にする。映画、写真、ファッション、イラスト、詩的な言葉たち。コンセプチュアルに遊び心たっぷりにこれらを駆使して作品を作るアーティスト。彼の名前は、マーキン・ヤン・マ。2005年にリリースされた「Plans For Other Days」でのヤンファミリーの一員としての活躍は記憶に新しい。映画を中心にあらゆる手法を用いて彼の中に溢れているアイデアを表現し、発信する。その止まることのないアイデアの泉の源を探る旅にご案内する。


AW08 - Can I Come Inside?
はじめに自己紹介をお願いします。
香港の養鶏場で育ちました。僕の家族が養鶏場を経営していたので、小さい頃は何千ものニワトリの鳴声と共に毎朝目覚めていました。いつも木に登ったり、自転車に乗ったりしている、やんちゃな子供でした。グラフィックデザインを勉強しにロンドンへ渡ったのが19才の時。そこで初めて知ったのは、僕が香港から来ている友達みんなと同じような普通の生活を送っていなかったんだってこと。というのも、彼らは皆、高層マンションに住んでいて、木に登ったことなどないような暮らしをしていたからね。大学は、セントラル・セント・マーチンに進み、そこで自分自身のビジュアル・ランゲージを発展させていきました。毎日のように新しいことをして過ごし、新しい興味を発見する場所だったセント・マーチンは、何かを試す自由と何か間違いを起こす自由ということを教えてくれました。間違いをたくさん起こすことで、僕独自のものの見方というものに自信が持てるようになり、大学卒業近くには、自分自身の表現を磨くのにもっと時間が欲しいなと気付いたので、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの修士課程に進むことに。そこで更に2年間、自分の作品を作ったり、いろいろ考えたりしました。ロイヤル・カレッジ・オブ・アートでの時間は、自分にとって、とても貴重なもので、ものごとをスローダウンしてより深く考えるということを教わりました。それから、誰かとクリエイティビティをシェアしたり、生活をシェアしたりという、分かち合うことの美しさについても学びました。


Tough Love - Jeans Collection, Photo © Jez Tozer
最近の活動やプロジェクトを教えてください。
今日のアメリカ現代アートの地位を描くビエンナーレ。

Phoebe Washburn, It Makes for My Billionaire Status, 2005 (installation view, Kantor/Feuer Gallery, Los Angeles, 2005).
ホイットニー・ビエンナーレが今年も開催され、ニューヨークのアートシーンに警笛を鳴らす。今年のキュレーターは、絵画や彫刻作品よりも、インスタレーションやパフォーマンス作品を重点的に扱うことに決めた。
アバンギャルドでなければ面白くない。
仙台を拠点に、ショールーム「international」をオープンさせ、国内外で活躍しているデザイナー、木村浩一郎。日本の伝統技術である漆器をベースに、アートからインテリアに至るまで、伝統を重んじながら独自の形を確立してきた。また数々の展示会に作品を出展し、世界の様々な企業からオファーを受けている。
最高に美しいものづくりを目指し、その道を歩み続けているという木村氏にお話を伺った。
自己紹介をお願いします。
ベルリンをめぐる昼と夜の風景。
「When things cast no shadow(もし何も陰をささなければ)」と題して第5回目となるベルリン・ビエンナーレが、2008年4月5日に開幕した。
今回は、選ばれし若きキュレーター、アダム・シムジックと彼のパートナー、エレナ・フィリポヴィッチによりオーガナイズされた。彼らによればこのビエンナーレは、若きアーティスト達による展覧会であり、特定の場所を明確に鑑みて、ベルリンにまつわる決まり文句から距離を置いたコンセプトを立て、実現しているという。またこのビエンナーレは展示である「昼の部」と月曜日を除いた会期末までの毎晩に開催されるイベント「夜の部」で構成される。
「サウンド」は、再度雑誌のルールを塗り替えた。
ヴィジョネアを知っているだろうか?懸命な読者ならご存知かと思うが、もし知らなければ、今まで知らなかったことを不思議に思うだろう。
ヴィジョネアは、ファッションデザイナーや、フォトグラファー、ゲストアーティストが集まり、ヴィジョネア編集部とアーティストが発行号毎に編集、ディレクションを行っている。
UTインスパイアド第5弾「ナンバー」。
世界各都市のキュレーターが震源地となり、世界中のアーティストがTシャツを競作するワールドワイドなユニクロのデザインプロジェクト、UTインスパイアド。SHIFTがキュレーションを務めた第5弾のテーマは「ナンバー」。ナンバーを個性的な解釈でデザインに盛り込んだアーティスト達から、それぞれの制作意図やコメントを伺った。
メイド・イン・チャイナ
V&Aミュージアムのチャイナ・デザイン・ナウ展を見に行く者なら、このおなじみの「メイド・イン・チャイナ」という言葉はすぐにでも全く新しい意味を持つことだろう。
ポーランドのヴロツワフにある、秀逸な現代アートとメディア、テクノロジーの機関。

WRO Art Center entrance. Photo by Michal Szota
WROアート・センターは、ポーランドのヴロツワフにある、秀逸な現代アートとメーディア、テクノロジーの機関であり、国際メディア・アート・ビエンナーレ、WROによる恒久展示・研究施設として新しく設立された。
イギリスでもっとも成功しているデザイナー。
“イギリスでもっとも成功しているデザイナー”の称号を与えられている、プロダクトデザイナーのマイケル・ヤング。テレンス・コンラン卿に最優秀英国人デザイナーとして選ばれたこともあり、世界的に様々なジャンルで活躍している。
大学でファニチャーとプロダクトデザインを専攻しながら、トム・ディクソンに従事したマイケルは、1993年に独立し、95年にはロンドンに自身のスタジオを設立。以来、「Wood Chair (1999年)」「Dog House (2001年)」「Yogi Family (2002年)」など国際的に有名な家具シリーズを多く手がけ、2000年にアイスランドにスタジオを移動。現在は、香港で活動しており、近年はジャイアントの自転車やシュウェップスのバーウェアを始め、ブランディングからトータルで行うプロジェクトを多く手がけている。

Schweppes Barware kit, 2007
2008年2月SCVFのイベントにて、今年で10周年になる「Sticklight (1999年)」を使ったインスタレーションを静岡市駿府公園内巽櫓にて行った。インスタレーションは、現代的な素材で作られたライトと伝統的な巽櫓(たつみやぐら)が、なぜだか調和していて違和感がなかった。
デザイナーの職域を広げ、デザインについて新たな解釈を提案し続けているマイケル・ヤングに話をお話を伺った。
どうしてデザイン、特にプロダクトデザインに興味があったのですか?
夏と言えば、何を思い浮かべるだろう?
まだ空気が冷たく新鮮な早朝を思い浮かべる?それとも、ギラギラした海を眺めながら日陰でくつろぐことしかできないくらいに熱い午後?
ベルリンのファッションレーベル「アンティアン」による今年の夏のコレクション「ホワイトキャップス」は、ある海辺の日が呼び起こす感情と情景に基づいている。ステージとムードの変化による潮の差し引きがそこにはあり、天国のような色と揺らぎ、また、日の出や夜ふけ、昼間の熱、午後、夕方、日の入りなどが、清々しいプリントのインスピレーションとして用いられている。コレクション全体が自然界に沿って進行し、カモフラージュの印象を伝えるプリントも同様、全ては雄弁で、波立っておらず、むしろ静かな傾向にある。全ての衣服が同じアイディア、特に自然界に従うというアイディアに由来しており、均一性を放つのだった。
古くて、新しくて、借りもので、ブルーなもの。
キュレーターのアーロン・ローズは洗練されたアートマガジンとして知られる季刊誌「ANP」と、移動展「ビューティフル・ルーザーズ」の関係者として知られている。「ビューティフル・ルーザーズ」とは、青春時代に特有なスケートボードやヒップホップなどのアート的なムーブメントをローズの視点で解釈された展示だ。また、その内容はローズが、ニューヨークのアレジットギャラリーのキュレーターとして扱い続けてきたものだった。
マルチ言語を話し、マルチタスクをこなす、インテリジェントで人を喜ばせることが上手な二人組。
フリーガー&ファンダムは、キャロラインとヘインは、オランダ人夫婦のデュオで、この二人が結ばれたのは、二人の友人がセッティングしたカジュアルなお見合いの手柄による。結婚するまでに至り、クリエイティブな活動でも息がピッタリなこの二人を繋げたことは大正解であり、この情欲に満ちた友人はかなりの斡旋料をもらうべきかもしれない。フリーガー&ファンダムの二人は、年間二つのコレクションを制作し、彼らの商品は世界中50カ所以上のブティックで売られ、2006年には大人気のガーディアン・エンジェル・バックがMoMAのパーマネントコレクションに加えられた。
どちらもファッションを勉強したことはなく、だからこそ、レベルの高いデザインと質を兼ね備えながらも、少しおふざけの要素を取り入れた、使い勝手の良い、誰にでも受け入れられるようなこれらのバックの市場を見つけることができたのだ。
ロッテルダムにある彼らの自宅兼仕事場を訪ね、お茶やビスケットをほおばりながら、話を聞くことができた。
ラスパイユが提示した「時間」を主題とする三部作の最終章。
リヨン現代美術館のディレクターであるティエリー・ラスパイユが、1991年から始めたリヨン現代美術ビエンナーレが2007年で9回目を迎えた。フランスでほぼ唯一国際的知名度を持つこのリヨン・ビエンナーレ。2003年の「明日が到着した。」と題された「未来」、2005年の「継続の体験」と題された「過去」に引き続き、ラスパイユ氏が提示した「時間」を主題とする三部作の最終章である今回は、「現状の考古学」を行うという試みがなされた。
その「現在」をテーマとするビエンナーレのために、アーティスティック・ディレクターであるラスパイユ氏によって選ばれたキュレーターは、 1967年生まれのステファニー・モワドンと1968年生まれのハンス=ウルリッヒ・オブリストの二名。
「00 S – L’HISTOIRE DE DECENNIE QUI N’EST PAS encore NOMME / (未だ)名付けられていないこの10年間の歴史」というタイトルの元、まだ終わってもいない2000年からの10年間の歴史を名付けようというあまりにも大それた試みである。今回のビエンナーレは二人の企画者によって提示されたゲーム。このゲームの参加者には過去10年を定義することが依頼された。ゲームはモワドンとオブリストによって二つ用意され、どちらのゲームも参加者が出せるカードはたった一枚。チャンスは一度だけ。
アートと実生活のバランスを見つけるプロダクトデザイン。
香港が拠点のデザインブランド「CHILLICHILLY(チリチリ)」は、アーサー・ヤンとクレメント・チャンが主催するブランドで、彼らのデザインには物語の要素が取り入れられている。建築を勉強したという二人が手がけるのは、ちょっとした仕掛けがあり、多大な人気を呼んでいる。
最近彼らは、SCV(静岡コンテンツバレーコンソーシアム)主催のマッチング・プロジェクトに参加し、「キッズ・コーナー」というテーマのもと、静岡の地元企業と手を組み、デザイン開発を手がけた。彼らにインタビューする機会を得、デザインについて思うこと、これまでに関わってきた様々な分野に渡るプロジェクトについて、話を伺った。
まず始めに自己紹介をお願いします。
香港初の大規模建築ビエンナーレ。

© Hong Kong & Shenzhen Bi-City Biennale of Urbanism / Architecture
香港&深圳、都市・建築ビエンナーレは、初めて香港と深圳が共同で開催する建築と都市環境の博覧会。このエキシビションでは「再識城市(Refabricating City)」をテーマに、香港の都市環境を世界中の都市と比較し、都市生活の質や状態、それに関連した社会的・文化的問題についてのディベートを行うことで、建築と都市空間というものがいかに私たちの日常と深く結びついているかを考えていく。

© Hong Kong & Shenzhen Bi-City Biennale of Urbanism / Architecture
“伝えなくてはいけない”という使命感。
AIDS防止を訴える強烈な写真、黒人と白人が手錠で繋がれている人種差別を題材にしたポスター。あなたがおそらく一度は目にしたことがある UNITED COLORS OF BENETTON.の広告は、ある「クリエイティブファクトリー」から生み出されている。