SPRING(スプリング)わきあがる鼓動

HAPPENINGText: Alma Reyes

イケムラレイコの《始原I》(2014-2017年)では、朧げな色彩に覆われた幻想的な土地に、異世界の生き物や精霊たちが息づいている。日本とドイツを拠点とするイケムラは、人間と自然を巡る物語を喚起するイメージで広く知られている。


イケムラレイコ《始原I》2014‒2017年、ポーラ美術館蔵 © Leiko Ikemura

丸山直文もまた箱根、特に仙石原を訪れた。彼の絵画は、光と色彩を柔らかな表現で映し出している。


丸山直文《水を蹴る・仙石原(あたりに)》2022-2023年、作家蔵 © Naofumi Maruyama, Courtesy of ShugoArts, Photo: Shigeo Muto

岩のような彫刻作品が、巨大な台座に鎮座している。土やガラスといった素材が、熱の作用によっていかに変化するか。そこには、陶芸家・小川待子の洞察が反映されている。《月のかけら 25-P》(2025年)は、クレーターに覆われた月面のような岩肌が露わになっていて、悠久の時のなかで自然が描く複雑な営みを刻み込んでいるようだ。彼女は、質感の重なりや鉱物の形態を探求することに、抗いがたい喜びを見出してきた。


展示風景:小川待子《月のかけら 25−P》2025年、作家蔵 / パット・ステア《ウォーターフォール・オブ・エインシェント・ゴースツ》1990年、個人蔵、《カルミング・ウォーターフォール》1989年、ポーラ美術館蔵

その周囲を囲むのは、パット・ステアの《カルミング・ウォーターフォール》(1989年)と《ウォーターフォール・オブ・エインシェント・ゴースツ》(1990年)だ。縦に長い2枚の大きなキャンバスには、重力のままに流れ落ちる絵具が、美しい滝を形成している。絵画に宿る律動と流動は、時間の堆積や自然の四大元素そのものと呼応しているようだ。

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