ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー

HAPPENINGText: Alma Reyes

理論派アーティスト、ソル・ルウィットの日本の公立美術館では初となる個展「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」が、東京都現代美術館にて4月2日まで開催されている。

ソル・ルウィット(1928–2007年)は、20世紀後半のアメリカを代表するアーティストの一人で、1960年代後半に、作品の物質的な側面よりも、それを生み出すアイデアやプロセスを重視する芸術運動「コンセプチュアル・アート」(概念芸術)を提唱した。そのため、完成された作品よりも、その背後にあるアイデアやプロセスに重きが置かれている。

こうした原則を表すのが、「コンセプチュアル・アートについてのパラグラフ」(1967年)に書かれた『アーティストがコンセプトから生まれる芸術のあり方を選択する場合、すべての計画や決定は事前に行われ、実際の作業は形だけのものとなる。アイデアは芸術を生み出す機械となる』という一節だ。


《ウォール・ドローイング #66》を制作中のソル・ルウィット(グッゲンハイム美術館、ニューヨーク、1971年) © 2025 The LeWitt Estate/Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery

本展のテーマである「オープン・ストラクチャー」とは、外側の各面を排除し、作品を構成する線、パターン、数式、サンプリングを際立たせる露出した骨組みを指す。形態の基礎となる骨格を見せることで、鑑賞者は対象物の知覚的な側面を透かして見ることができる。ルウィットはミニマリズムを支持し、複雑な形態は、基本的な全体の統一性を損なうと信じていた。

会場では、6点のウォール・ドローイング、立体および平面作品、そしてアーティスト・ブックが展示され、思考が形態へと翻訳されるメカニズムとプロセスを解き明かしている。ギャラリーを歩き進むうちに、鑑賞者はアートの背後にある抽象的な概念について深く思索することになる。


ソル・ルウィット《不完全な開かれた立方体 6/20》1974年、千葉市美術館蔵 展示風景:「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」東京都現代美術館(東京)2025-2026年 © 2025 The LeWitt Estate/Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery. Photo: Alma Reyes

最初の展示室では、辺のない立方体《不完全な開かれた立方体 6/20》(1974年)が、コーナーに静かに置かれている。アルミにエナメル焼付塗装を施したこの作品は、完成形や不変性とは無縁な、連続的な変化の過程を連想させる。


ソル・ルウィット《ウォール・ドローイング #104A 一万本のランダムな直線、長さ約4インチ(10cm)、10フィート(300cm)四方の枠内に描かれる》初回展示1996年1月、ルウィット・コレクション(コネチカット州チェスター) 展示風景:「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」東京都現代美術館(東京)2025-2026年 © 2025 The LeWitt Estate/Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery. Photo: Alma Reyes

その隣には、糸のような破線で描かれた巨大な白い壁が立っている。《ウォール・ドローイング #104A 一万本のランダムな直線、長さ4インチ(10cm)、10フィート(300cm)四方の枠内に描かれる》(初回展示1996年1月)は、自由な想像力と解釈の現れとしての「非言語的構造」を補完するものだ。

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