柚木沙弥郎 永遠のいま
HAPPENINGText: Alma Reyes

柚木沙弥郎 永遠のいま 展示風景 撮影:Alma Reyes
東京オペラシティアートギャラリーは、12月21日まで「柚木沙弥郎 永遠のいま」展を開催している。本展は、75年にわたる柚木の仕事を振り返るとともに、創作活動の元となる国内外での旅路も巡ることができる包括的な回顧展となっている。

柚木沙弥郎 左:《無題2019-2》2019年 個人蔵 / 中:《型染布「2016」》2016年 日本民藝館蔵 撮影:村林千賀子 / 右:《Memory》2019年 IDÉE蔵 撮影:乾剛
若き柚木沙弥郎にとって、美術の世界は馴染み深いものであった。父が洋画家、祖父が日本画家という芸術家一家に生まれた彼は、東京帝国大学(現:東京大学)で美術史を学んだ後、岡山県倉敷市にある大原美術館に職を得た。ここで柚木は、

柚木沙弥郎《紅型風型染布》(部分) 1948年 日本民藝館蔵 撮影:村林千賀子
柚木の初期の作品《紅型風型染布》(1948年)は柳から贈られたもので、現在日本民藝館の主要なコレクションの一部となっている。複雑な花びらと葉は、優雅な様式でリズミカルに流れている。1949年、日本の工芸美術の展覧会である国画会展覧会(国展)に作品を出品。1955年、東京・銀座のギャラリー・たくみで初個展を開催して以来、柚木は絵本の原画や立体作品、版画などにも表現の幅を広げていった。その後1958年には、ブリュッセル万博で発表した《型染壁紙》で銅賞を受賞している。
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