フォーム・アス・ウィズ・ラブ
PEOPLEText: Victor Moreno
友人のアンナ・ステンヴィが紹介してくれて初めて見た「フォーム・アス・ウィズ・ラブ」による作品は、もう最高!としか言いようがない。2005年に設立された「フォーム・アス・ウィズ・ラブ」は、ストックホルムの観光名所、旧市街ガムラスタンにある。そんな理由で、彼らのスタジオをインターネットカフェと勘違いして来たり、ウィンドウ越しに見える素晴らしい作品を買い求める人たちが少なからずいる。
Photo: Jonas Lindstrom
自己紹介をお願いします。
フォーム・アス・ウィズ・ラブ(以下、FUWL)は、アイディアを重視したデザインスタジオです。2005年にヨン・レーフグレン、ペトロ・パルマー、ヨナス・ペッテションにより設立しました。作品は大概一緒にデザインしています。プロジェクトを最初にスタートする時は一緒に行い、途中からそれぞれの担当を手がけます。僕達それぞれは違った分野のバックグランドをもっているので、それを作品制作に活かしています。従来のデザインスタジオは、その製品の種類にフォーカスしてごく少数の専門分野で作品を作りますが、それとは対照的にFUWLは、作品の背景にあるプロセスを重視しているので、少数の専門分野のみに縛られることはありません。製品やプロジェクトの種類に無関心なので、常に取り組み方は同じです。
Prosthes Hanger, Vujj, 2008. Photo, Retouch: Niklas Alm, Sofia Cederström
スウェーデンや北欧の家具デザインは、その国や地域の特徴とも言える強力な側面になっていると思います。この20年間でのその動向についてはどうご覧になっていますか?今後その業界を目指す人たちに向けて何か情報や注目の学校など教えてもらえますか?
僕達は間違いなく、これまでのデザインの伝統に影響されていますが、同時にすっかり飽きてもいるんです。その結果、変わった機能主義なものが生まれています。これは、おそらく多くの若手北欧デザイナーの作品に言えることです。
僕達は2002年にカルマル大学の工業デザイン科で出会いました。当時学校は、新しく僕達が工業デザイン科の初めての学生で、やってみたいことは何でも取り組むことができました。そして大学で、僕達がデザインに対して同じアイディアをそれぞれ持っていることを発見したんです。学校はデザインの理論的な部分にフォーカスしていたので、もちろん僕達はデザインをする上でその考え方に影響されています。
VASA Bollard, Zero, 2006.
初めて制作したデザインは何ですか?日々の作業の中で制作にあたり改善した点なども含めて教えて下さいl。
僕達の最初の作品は、スウェーデンの照明メーカー「ゼロ」の為に手がけた「VASAボラード」という柱型の照明です。歩行者ではなく、周りにあるものを照らすというアイディアのもと制作しました。その当時から今も制作過程においてはあまり変化はありません。どう制作したいかという明確なアイディアを持って取り組んでいて、この作品についても同様です。でも、もちろん経験を積むことでもっと多くを学んでいきますし、おそらくあるディテールに関しては現在とは異なるやり方をしていたと思います。
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