ボール・ピヤラック

PEOPLEText: Victor Moreno

今年のアンノウン・アジア2021でSHIFT賞を授与した、ボール・ピヤラック・ベンジャドル。アンティークや古いおもちゃ、日用品、編み物細工、また髪の毛まで組み合わせたミニチュア「愛され去りゆくものたちシリーズ / Loved and Gone Series」が今年の受賞作となった。この賞は、彼女への敬意と、闘病しながらも芸術に対する情熱を忘れずに、最期まで生き延びた彼女への高い評価を象徴するものである。

2012年に癌と診断されて以来、彼女は病と戦い続けた。2020年には癌がリンパ節に転移し、抗がん剤治療では手に追えなくなり、2021年9月に他界した。「愛され去りゆくものたちシリーズ」と同じモチーフで、2019年より前の作品には、古いおもちゃ、ミニチュア人形、アクリル糸、シルクピンを使った「ピンクッションシリーズ」がある。両シリーズは、2021年にカノクヌッチ・シラパウィサワクンがキュレーションするプラクティカルデザイン学校にて展示された。

ボール・ピヤラックは、ビジュアルデザインの教授として講師をしつつ、そしてアーティストとしても活動していた。病気になってからは、その時の体調によって作品のスタイルを変えていた。壊れた骨董品やおもちゃの部品、古道具、そして時には自分の髪の毛までを使って、記憶や所持品を活かしたアイディアを作品にしていた。幼い頃に、彼女の母がやっていた編み物もヒントにし、かぎ針編みを使った作品なども制作していた。


Loved and Gone Series, 2020 © Ball Piyaluk

1989年にタイのシラパコーン大学で美術学士を取得し、卒業。その後、夏休みを利用してフランス北部のリールに留学し、旅行をしつつフランス語の勉強をする。夏期留学コース終了間際には、言語と文化に夢中になっており、オペア(ホームステイ先で行う住み込みの仕事)を取得したというのもあり、さらに1年間フランスに滞在することを決める。

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