「フォーム・フォローズ・フィクション」展
カステッロ・ディ・リヴォリ現代美術館で、キュレーターでギャラリーオーナーであるジェフリー・ダイチが、「フォーム・フォローズ・フィクション」(形式はフィクションに従う)という展覧会を開催している。現実とフィクションを区別することがもはや不可能になっている美的世界に、20人の国際的なアーティストが身体と声を与えている。
ジェフリー・ダイチは同館で「ポスト・ヒューマン」という展覧会を1992年に開催している。人間の状態の限界を探求したこの展覧会は、世紀の終わりに予期せず芸術の象徴となり、ポスト・ヒューマンの美学として定義されたものの基礎を形成した。そして今年ダイチは再びリヴォリに戻り、1992年の展覧会の延長線として、90年代半ばに活躍したアーティストによって制作された新しい作品とともに本展で、リアリティを確立する新しいコンセプトを発表した。
ダイチは、現実とフィクションの間の境界は、ますます明確では無くなる。よって、アーティストは、人生のように、現実のものとそうでないものとの境界を確立することがますます不可能になる美的世界を構築することになるだろう、という仮定の下に展覧会の準備に取りかかった。
ニューヨークのツインタワーへの攻撃の後、CIAは、最も幻想的な脚本を実行するためにサイエンスフィクション作家を雇うことを決定した。世界はもう驚かされたくないのだ。そしてこれを達成することは、現実に到達するために最初にフィクションから始めるという、逆の関係になっている。一部の皮肉屋、または混乱した心にとって、これまでに作られた中で最も高価なハリウッドのセットであるように見えたテレビの映像は、本物と人工のこの信じられないほどの組み合わせの最新の例にすぎない。ダイチでさえ、そのことに言及するために本展のカタログの印刷を遅らせた。しかしながら、この展覧会は、奇妙な文脈の中で、アーティストにあまり自律性を与えない巨大な回廊であり、非の打ちどころがなく美しいものである。
現実とフィクションの間の曖昧な壮観さについて、アーティスト/デザイナーの故ダン・フリードマンと共に作成されたポスト・ヒューマン展のカタログと同様に、本展のカタログに詳しく記載されている。
Cover of the catalogue of the exhibition “Form Follows Fiction” curated by Jeffrey Deitch © Maurizio Cattelan
カタログの表紙には、フィクションのダブルゲームをすぐに推測できる「FORM FOLLOWS FICTION」という文字が掲載されている。これは、ヴェネツィア・ビエンナーレで発表されたアメリカ人アーティスト、マウリツィオ・カテランの作品で、パレルモ近くの丘の中腹にあるゴミ捨て場で、ロサンゼルスの丘にあるハリウッドサインを踏襲し実際に再現したものだ。
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