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私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために

HAPPENINGText: Alma Reyes

科学技術の急速な進歩が都市生活を席巻するにつれ、地球の大気構造は劇的に変化する。第3章「大いなる加速」では、このような人間と地球の間の変化を探求している。クウェートのアーティスト、モニラ・アルカディリは、養殖真珠を主題とした新作《恨み言》(2023年)で、自然の生態系に深く介入する人間の欲望と夢を表現している。来場者は、真珠と石油産業の歴史を通して、人間の介入と自然の濫用について考える。


モニラ・アルカディリ《恨み言》(イメージ図)2023年

最終章である第4章「未来は私たちの中にある」で、異文化間の多様性、デジタル技術の革新、精神性(スピリチュアリティ)といった観点から、環境意識に対する私たちの認識をよりオープンで持続可能なものに方向転換させることができる、未来への実行可能な選択肢について考察している。


マルタ・アティエンサ《漁民の日 2022》2022年、制作協力:ハン・ネフケンス財団、モンドリアン財団、シェーン・アケロイド、コミッション:第17回イスタンブール・ビエンナーレ、Courtesy: Silverlens, Manila/New York

フィリピン・マニラ生まれのマルタ・アティエンサの《漁民の日 2022》は、海洋開発、観光、商業活動によって海洋生物が脅かされている一方で、漁師と彼らのボートのパレード風景を捉えたビデオ作品で、植民地化と海洋搾取に根ざした自身のルーツを再燃させている。

本展では、展示壁面や壁面パネルを前回の展覧会から一部再利用したり、塗装仕上げを省くなどの取り組みを行うことで、環境に配慮した展示デザインとなっている。また100%リサイクル可能な石膏ボードなども活用し、廃棄物の削減にも努めている。このような取り組みを通じて、来場者が、ロボットやサイバー・テクノロジーが氾濫する現代において、エコロジカルで人間的な価値観を深めてくれることを期待したい。

森美術館開館20周年記念展
私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために

会期:2023年10月18日(水)〜2024年3月31日(日)
開館時間:10:00~22:00(火曜日17:00まで ※但し1月2日、3月19日は22:00まで)
※最終入館は閉館時間の30分前まで
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://www.mori.art.museum

Text: Alma Reyes
Translation: Saya Regalado
Photos: Courtesy of Mori Art Museum, Tokyo

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