ドリス ヴァン ノッテン展「インスピレーションズ」
マドレーヌ・ヴィオネやヨウジヤマモトのようなファッションの象徴的な形の作品が展示された後、いまパリ装飾芸術美術館ではベルギーの世界でもっとも有名な現代的デザイナーの一人で、アントウェルペンの6人の一人である、ドリス ヴァン ノッテンの世界観を展示している。
© Tadzio, Courtesy the artist; Kamel Mennour, Paris, and Pace Gallery, New York
タイトルとして選ばれた言葉「インスピレーションズ」は、完璧に展示の意図を体現化している。それは、各コレクションの特定の題材をもとにしたクリエイター自身のインスピレーションの文化的な参考や源の旅へ私たちを導くものである。したがって、年によって明らかにスタイルを変える多くのデザイナーに反して、彼の技術の変わらない要素のほとんどが最初からそこまでヴァン ノッテンと一緒であったようである。そしてそのデザイナーはこれらの参考を取り上げ、各シーズンのモードによってそれらを洗練したにすぎない。
© Tadzio, Courtesy the artist; Kamel Mennour, Paris, and Pace Gallery, New York
今回の展示はヴァン ノッテンの広範なファッションの歴史の知識、そして彼の、アートと全ての文化に対する大きな欲求を(イギリスからの参考の優位により)明らかにしている。
© Tadzio, Courtesy the artist; Kamel Mennour, Paris, and Pace Gallery, New York
ミュージアムの華麗なコレクションを探索すると、ヴァン ノッテンの作品のインスピレーション源となるいくつか、特に2013年パリで披露された2014年メンズ・レディース春夏コレクションで現れた様々な19世紀テキスタイルのパターンがセレクトされている。
© Tadzio, Courtesy the artist; Kamel Mennour, Paris, and Pace Gallery, New York
1958年に仕立て屋の家に生まれたそのファッションデザイナーは、私たちの時代の手法と彼の貴重な伝承を組み合わせることに成功をした。彼は歴史の全ての期間と世界中からの要素をミックスする技巧を示している。ドリス ヴァン ノッテンのミックスとマッチ、レイヤーのトリッキーなアートの習熟はほとんどないペアで、それはイヴ・サン=ローランの襲来なしにはない。うるさくごちゃごちゃに容易になりうる、かなり難しいプリントの組み合わせの中で完璧なバランスを見つけられるデザイナーは少ない。
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