ソナー 2001
HAPPENINGText: Ben Vine, Terevision Ruiz
前置きはあまり必要無いと思うが、せっかくだからちょっとだけ。ソナーという名で知られているが、正式名称は「インターナショナル・アドバンスト・ミュージック・アンド・マルチメディア・アート・フェスティバル・オブ・バルセロナ」。その8回目が、 6月14日から16日にかけて開催された。イベントは大きく二つに分かれている。一つは、ソナー昼の部で、 CCCB(バルセロナ現代文化センター)と MACBA(バルセロナ現代美術館)を会場に、コンサート、DJセッション、会議、実験映画、ビデオアート、グラフィックデザイン、ネットアート、出版、レコードレーベル等々が開催される。もうひとつは、ソナー夜の部で、バルセロナ郊外、オスピタレットのフィラ・バルセロナにて、音楽とパーティーが存分に提供された。間違って欲しくないのは、これはキャンプみたいなものじゃないってこと。都市のフェスティバルだから手荒には扱えない。シャワーを浴びて栄養を十分に摂り、完璧に準備して参加するように。僕達はバルセロナにいるわけだけど、カタロニア人ほど魅力的な人達はほとんどいない。スペインは違う。ソナーもまた然り。
世の中ほとんどそうだけど、物事はやって来ては過ぎ去っていく。献身的なファンである僕達や新入りのために、今年もまたソナーがやって来た。8回目の今回は、昼夜3日間で 80,000人以上を集める大成功。主催者は人々が殺到することを予想してソナー夜の部を新しくてより大きな建物に移転したけれど、ソナー昼の部もちょっと閉所恐怖症になるくらいに混雑することは予期できなかったみたいだ。来年はこの超混雑を防ぐためにソナー昼の部の新しい会場を探していると、主催者は既に発表している。個人的には、こんなに大きくなったことを少し恐ろしく感じている。このフェスティバルみたいにアンダーグラウンドとして始まったものがこんなに大きくなった場合、商業主義に圧倒されないように、優先順位をはっきりさせる必要がある。
1994年、第1回ソナーの参加者は約6000人。8年に渡って途方も無く大きく成長し続けているけれど、主催者は明確な優先順位を持っているようだ。要求には応じるけど、「国内外問わず、可能な限り最も最新かつ最も革新的なビジョンを提供する」という哲学は変えることはない。今年はビッグスター不足により(もしくは、ソニック・ユースみたいな普通じゃないヘッドライナーを揃えて)全体として新しくて実験的な音楽を提供している。常にレギュラーのジェフ・ミルズ、ローラン・ガルニエ、リッチー・ホーティン等の例外を除いては(これに関しては数多くのジョークがある。彼らはフェスティバルの定位置を決して失わないけど、毎回同じものを大量に産み出しているだけって評判もあるから)。
フェスティバルの後にやって来るのは、二日酔いや疲労、ショーの批評や十分に観れなかったことの不平不満。夜のパフォーマンスに関する記憶は少し曖昧だと認める。ソナーは記憶を飛ばすことで有名だからね。多くの逸話を語れるけど、特にはっきりと覚えているのは、金曜日に、一旦夜のセッションが終わった後、ある組織の方々が建物の入口に車を着けたこと。車の中には、発電機、アンプ、デッキ、レコード盤。何百もの人々は表でフェスティバルを続けた。ソナーは、決して眠らない。
今年のソナー昼の部は次のセクションに分かれている。
コンサートとDJは4つの異なるステージで、博物館の中心にある CCCBホール、ソナー・ビレッジ(アストロターフという人工草が敷かれている博物館の野外庭園)、ソナー・ラボ(デッキチェア完備の大テント)、バルセロナ現代美術館。
ソナー・マシカ:今年の展示は「インビジブル・ロンドン」。ロンドンで最も革新的な芸術家の内、数人の作品を紹介。新しいテクノロジーが作品の主要部分や要素として使われている。
ソナー・シネマ:映像、電子音楽、テクノロジーの間に強い関係が認められる作品が選ばれている。ビデオ、ドキュメンタリー、短編映画など。
SONAR.YA.COM:フェスティバルのオンラインバージョンが楽しめる大テント。
ソナー・プロ:CCCBのトップフロアーにて 60以上のスタンドを提供。レコード会社、出版物、ディストリビューターなど。
ソナー・ラ・カータ:ドキュメンテーションと相談コーナー。音楽、ビデオ、インタラクティブなゲーム。
会議やトークセッション。
ソナー夜の部は4つのエリアに分かれている。
ソナー・クラブ:7,000人を越える収容能力を持つ主要開催地。
ソナー・パブ(野外):ハウス、ダウンテンポもの、トリップホップなど。
ソナー・パーク:実験的な音楽。
ソナー・カー:通常のダージャムズ(車をぶつけあって遊ぶ)。
フェスティバルが始まる2日前に、リーバイスがソナー協会と共同でプライベートパーティーを催した。ロニ・サイズ・レプラゼント、ゼロ7、エンジェル・モリナ、DJコスモス、DJオマーがみんなを楽しませる。ベン・ヴァインは招待された幸運な人達の一人。彼がそのパーティーについて話してくれる。
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