ソナー 2002
HAPPENINGText: Daniel Ramirez
6月13日、14日、15日の3日間、バルセロナは一歩先を行くアートと音楽で一色に染まった。3日間で行われるこのイベントでは、250以上のアクティビティ、50のライブコンサート、70以上のDJパフォーマンス、90本の映画上映、インスタレーション、ネットアート、携帯電話用のゲームを含むアートとテクノロジーに関する約60の様々な表現方法の展覧会が開かれた。
一歩先を行く音楽が様々なものをもたらし、それによってソナーは去年よりも素晴らしいものになったように思える。ソナー自体が、もう既に特別な存在なのだ。
バルセロナ現代文化センター(CCCB)、バルセロナ現代美術館(MACBA)をメイン会場に、サンタ・モニカ美術センターなどの会場で、昼夜に渡ってイベントが開催された。夜にコンサートが開催されるフィラ・デ・バルセロナはメイン会場から離れていることもあり、22時から翌朝6時までの間、専用バスが運行していた。莫大な数のアーティスト、プロフェッショナル、そして一般の来場者を迎える為に、大規模な空間が必要なのだ。夜の0時を過ぎても気温は26℃。ソナーの熱い夜には完璧な環境だ(もちろん、昼間はもっと暑かった!)。
今年のソナー2002は、テーマごとにエリアが細分化された。ソナー・アラカルトでは、インスタレーションと音楽、ソナー・シネマでは、映画、ビデオの上映、ソナーラマでは新しいソフトウェアのプレゼンテーション、シャーロット・ポックハッカー、フィフティ・フィフティ、アントニー・シューミットによるコンサートとカンファレンスが、ソナー・プロでは、レコード・フェアが行われ、スペイン国内外からのレコードレーベルが最新のリリースを発表した。中にはソナー2002用のスペシャルエディションを用意して来ているレーベルもあった。ミューテック・フェスティバルがちょうど終了したばかりのカナダや、前回素晴らしいリリースを発表したフランスの存在は今年も健在だった。
ビバ・ヘルシンキは、ヘルシンキの街を紹介するイベントだが、ソナーマチカも同様でバルセロナを紹介するものだ。このイベントは、オフィシャルガイドでも記載されているように、ヨーロッパのカルチャーシーンで停滞する分野の復活を、生きた一例として見ることができるものだ。同じ時間帯に沢山のイベントが同時進行しており、どのイベントに行くべきか決めるのに本当に苦労した。
昼間はアンディ・ヴォーテル、マジック(ツイスティド・ナーブ)、ウォブリー(タイガービート6)、ボノボ、ザ・シネマティック・オーケストラ(ニンジャ・チューン)、オーディオペルー、ファンタシアス・アニマダス(スペイン版のルーニー・チューンズ)等を見ることが出来た。ロモグラフィックは巨大スクリーンでの映像の上映を行っていた。
KID606、マニュアル、マニトバの素晴らしいパフォーマンスの他に、DJヒロシ・ワタナベや、サード・イヤーのプレイもあり、このままソナーラブに留まり、どうにかなってしまうまでこの空気を楽しむか、他に移るかを決めるのにもかなり悩んだ。
今年のソナー2002のキャラクターとして選ばれたのは、アルゼンチンの元サッカー選手、マラド-ナだ。毎年、一風変わったイメージを作り上げるのが、ソナーの組織委員会である。どれもエレクトロニックやテクノグラフィックデザインからはかけ離れたものばかりである。
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