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ソナー 2001

HAPPENINGText: Ben Vine, Terevision Ruiz

ソニック・ユースが何をやっているのかソナー・パークにのぞきに行ったら、玉ねぎを油で揚げているようなサウンド。特別製の生ノイズを聞きたい気分じゃないので、走路サイズの廊下を下ってソナー・パブへ向かうと、なんと誰も居ない。どうなっているのかサウンド・テクニシャンに聞いてみたけど、彼は何も知らないみたい。ブリットナッツは30分前に開演しているはず。ちょっと長くうろつき、かなり長く待った後に、ゼロ7というバンドが代わりに登場して、ブリットナッツを観る可能性が完全に無くなったと知る。ふざんけるな!ゼロ7は僕の好みではないメローなポップとわかったので、ソニック・ユースを観に行ったら、とても落ち着いたムードになっている。周辺を歩き回っていたら、その音楽が、薄い空気座布団に乗って部屋中を浮遊しているような気分にさせる。なんとも愉快。至福が退屈に取って代わるまで、しばらくの間、新発見の反重力ドライブであてもなくさまよった後、ソナー・クラブで何をやっているかを観に行く。スピーカーから非常に大きいノイズ音が繰り返し出てくる。臆病者のための音楽じゃないな。速いビートとアグレッシブなベースラインがリズムに取って代われるって、誰がこいつらに教えたんだ?脳がドラッグで一杯じゃないなら、まったく無意味!

ダージャムズをしてタイヤのゴムから煙を出す時間。ソナーは、ひとつの大きく成長した運動場みたいなものだからダージャムズは毎年不可欠。テクノで数時間、脳を集中的に攻撃された後に、車をぶつけて楽しむ場所ほど、心を和ませるものはない。2、3年前、ローラン・ガルニエは、無謀にも飽きるまでダージャムズを続け、終わった後にまだ歩けたのはびっくりだった!車からちょっと出て時計をチェック。クレイグ・リチャーズは、もうそろそろアモン・トビンに場所を空け渡すだろうから、それまではソナー・パークへ行き、軽快な曲や奇妙なピッピッという音で一杯の刺激的なセット真っ最中のプラッドを聞く。彼らはワープ・レーベル中で最も好きなアクトの一つで、ライブ演奏は決して失望させない。エド・ハンドリーとアンディ・ターナーによって結成されたデュエットは、最新のアルバム「ダブル・フィギュア」からほとんどの曲を演奏し、極端に正確なアレンジと夢のようなメロディーで一杯のセットが、物理的な場所よりもっと遠くへ僕達を連れていく。とても良い。

アモン・トビンは、リズムやファンキーなペースラインを様々に選択し、彼のセッションを優しく始める。無理して地面から足を離さなきゃならないような無駄な努力は全く必要なし。彼のセットに関して詳述すべき美点は完璧な進行で、最初の30分間はゆっくりとビートを構築し、時々ブレイクとしてそれを緩める。実際、これまで聞いた中で最高のセットだった。それぞれの曲は斬新で生き生きしていて、リズムには常に驚かされ、傷ついた脚の筋肉は一度も痛まなかった!始めの1時間はクレッシェンドが続き、ちょっと静かなひとときの後に、ドラムンベースの世界に深く飛び込むことになる。このブラジル人が爪をといでいたのが分かる!皆がついて行くには十分なウォーミングアップが必要だから、最後のために温存していたんだ。強力で爆発的だけれど、暖かくて微かなベースラインと軽快な気分にさせるフリージャズのタッチから決して逸れない。バラエティーがキーワード。今まで聞いたことがない気分にさせる何かが、彼のミキシングにはある。即興風に聞こえるから即興しているような印象を受けるけど、彼が全てを細かく作り上げていることが分かると思う。素晴らしい、まったく素晴らしい。このフェスティバルで聞いた中で、ずば抜けて最高のセット。

一方では、邪悪な友人リチャード・ジェームズがソナー・パークで機械のつまみをいじっている。個人的にエイフェクス・トゥインズが好きだけど、彼のことはずっと前から知っているんだ。彼のレコード買いたい?素晴らしい。彼のセットで踊りたい?今すぐできるよ!エイフェクスのセットじゃダンスしないよね。ハイおしまい。これと同じくらいに単純なこと。彼を見て!どんな奇怪な機械でも最高にうまく使いこなし、誰かが踊ろうとすると、機械に彼自身を深く埋めて、非道のインダストリアルな無秩序で観客を圧倒する!僕は観続けてきたけど、彼はいつもそう。ダウンテンポのバックグラウンドビートで今晩のセットを始め、ドラムンベースとトレードマークの音の光線で場を切り裂く。まず、ある曲に馴らせておき、その後、単に混乱させるために完全に違うもの転換して、聴衆をからかう。他の惑星から輸入されたに違いないサンプルで作られた極端なエレクトロニック・ミュージック。ロモグラフィック界の素晴らしいビジュアルグラフィックスのご好意を添えて。

メタルヘッズの女性ミュージシャン、ストームがソナー・パブに登場。なかなかのソリッドなドラムンベースでエネルギーと迫力とで一杯。ソナーっ子達はフルスロットルに入るけど、最初の20分位で僕は完全に疲れきってしまった。アモン・トビンのセットの後では、ちょっとラフに感じる。例えば、ロニ・サイズの後に彼女を観れたら良かったと思う。実際、彼女は、レプラゼントのようなセットの後に続くことができる数少ない一人だと思うから。しかしアモン・トビンのような微妙でソフィスティケートされたセットの後では、ちょっと寒いものを感じた。とても良かったのに、僕はエネルギーがまったく感じされなかった。

今、楽しみなのはスクエアプッシャー。運がよければ、生のダブルベースで現われて、常に境界が拡大するフリー・ジャズの新しい見識を示してくれるはず。しかし幸運な日じゃなかった…。フィラ・ブラジリアもスクエアプッシャーも出てこない。まったく信じられない!どんなにがっかりしているかわからないだろう。

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