ソナー 2001

HAPPENINGText: Ben Vine, Terevision Ruiz

木曜日は展示やスタンドを観てまわるのに最適。最も穏やかで、暇に任せてぶらぶらできる。僕はソナー・パビレッジ(CCCBの中庭)でほとんど一日を過ごした。音楽のためじゃなくムードを味わうためにね。アストロターフ全体をカバーしているから、木々に囲まれた芝に座って他の観客とお喋りできる。

僕がソナーで好きなことの一つは参加者の多様さ。ヨーロッパ各地の人々や、もっと遠くから来た人に会えて、ほとんど誰もが語るべき何かを持っている。ミュージシャン、カメラマン、デザイナー、全てが何者かであり、フェスティバルを享受すると同時に貢献している。そして本当に写真好き。1平方メートル当たりにこれほどのカメラがあるのを見たことがないし、DVカメラの乱用は言うまでもない。急激に増えているロモグラファー達もいる。

ソナー・マシカはフェスティバルのマルチメディア展示部門。今年度は「インビジブル・ロンドン」の名で、ロンドンのあまり知られていない多くの才能を発掘するという明確な目的がある。写真とグラフィック・デザインにはかなり偏見があるんだけれど、ガラスのキャビネットに置かれている大量のフライヤーやレコードスリーブを見たら、その偏見が少し無意味に思われた。特に、手にとってぺらぺらめくって地元のデザインの良い例を見ることができる博物館の書店で売られているものの質の高さを考えるとね。そんなわけで、海賊ラジオ放送局を始める方法とか、インタラクティブなインスタレーション(それは前もってあまり準備されていない)をさっと観た。インスタレーションの一つ、ソーダ・プレイは特に面白かった。オンラインバージョンに目を通して、巨大なタッチスクリーン上で、ユーザーを即興作曲家に変える強力なスピーカーが、参加者全員のために音を奏でる様を想像してみて。

最後のインスタレーションはシンプルかつ斬新なアイディア。暗闇で、フラッシュ銃に火薬を詰める雑音が増幅されて聞こえる。左側には発光塗料で光輝く壁。フラッシュが出た瞬間、壁には自分のシルエットが残る。最高のインスタレーションとは人々が遊べる大きな玩具になり得るものであると思う!僕が去る時には、皆がバカな格好をしたり、児童の一団のようにくすくす笑っていた。これが芸術なら小学生に戻りたい!

ソナー・ビレッジでは、メキシカン・コレクティブ・ノルテックが、バランスのとれたハウス・ビートのミニマリズムなセットを披露。時々エスニックな感じになったりするけれど、踊りに来た人々には最適。ニコル・ウィリスが、夫ジミ・テナーをムーグ奏者に従え、素晴らしく気迫溢れる演奏をする。ソナー・ラボでは、ジェフ・シャレルとチャールズ・ウェブスターによる演奏。音響にトラブル。ソナー・ラボでの、その日最後のショーとあって、数人がデッキチェアに落ち着いている以外、大部分の観客はダンスが止められない。ジャズ、ダウンテンポなビート、ダンサンブルなアップビートを吸収したジェフのハウスは、もっと落ち着いたものを期待していた人々には全く予想外。脚を振りまわさなきゃ。

ヴァイブ、クララ、決して休むことのない甘いアシッド・ジャズと共に、ソナー・ビレッジに夜がやって来た。

今年のソナー夜の部は非常に大きく、非常に遠い。去年の開催地は海岸沿いのスポーツ・センターにあるマル・ベラだったけど、そこでは十分でなくなったので、今年は人里離れた工業団地であるオスピタレットのエクスポ・センターまで来ることになった。第一印象はあまりの広さへの恐怖。イベリアのロゴ付きのチェックイン受付を見つけて心配になってきた。大きい。本当に大きい。

今夜のプレイリストは素晴らしいもので一杯。ソナー・パークでは、ソニック・ユース演じる 「さよなら20世紀」。 その次がワープのショーケースで、特集は、プラッド、エイフェックス・ツイン、スクエアプッシャー。ソナー・パブはそれとは別の深夜プログラムを提供。ブリットナッツ(フィラ・ブラジリアは脚を折って土壇場で中止)、アモン・トビン、ストームと続く。一ソナー・クラブはジム・マスターズ、ダレン・エマーソン、カール・コックスと、なんか不吉でぎょっとさせる組み合わせを提供。恐ろしい。

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