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ライムンド・アブラハム

PEOPLEText: Hans Hoger

60年代と70年代という急進主義運動が盛んだった時代に、アブラハムは建築学の調査だけではなく概念的なボディアートのような実験的アートの活動に貢献した。アブラハムにとってアートの世界で活動すること、コミュニケートすることを選ぶのは彼の作品の目的にはなんら変化を与えない。むしろそれは彼自身に建築物とアーバンデザインにおいての行動範囲を一層広げられることを意味している。


The destruction of objects, “Chair”, Performance (with Alan Wexler), 1971

パフォーマンスのような作品、「チェア」は正式な原理(対称的な軸線、開ける・閉めると動き、アングルのバリエーション)を入れ替えながら描写する一連のアクションと共に ミズ・エン・シーン(舞台装置)というオブジェから成り立っている。オブジェの操作、一連のアクション、正式な原理等の組み合わさった効果は、日々のデザインにそって探検的、経験的に表現される隠ゆから作られている。


The Infinite City, Megastructures (1962-65)

70年代前半の「メガストラクチャー」は、人々に対するテクノロジーの無条件の使用に基づいて都市のユートピアを表現している。この理論的作品のユートピア的アスペクトは、テクノロジーが生み出すことのできる伝統的な郊外のストラクチャーに対する敬意がこもった推定された独立と、シンプルなテクノロジカル環境から「タウト・コート」という建築物へ移項できる巨大、かつ芸術的、潜在的な正式な要素にあると考えられている。

ユートピアは数いる急進運動の主唱者によって作られた同時期のアブラハムの作品と似ているといえよう。確立することと「労働者」を刺激するのと同様に、ユートピアは視覚化することの可能性と政治的、社会的そしてテクノロジーの発展に通じる様々な糸口という点においては、重要な役割を持っていたのだ。

Text: Hans Hoger
Translation: Sachiko Kurashina
Photos: Courtesy of Raimund Abraham

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