ドイツの西ベルリンでの都市再生プロジェクト、ベルリン国際建築博覧会の一環として、18世紀前半のバロック様式・建築の赴きが、ベルリンの壁の建設後、中心部から周辺地域へと市内中心部へと続くフリードリッヒシュタット地区に、住宅、ショップ、オフィスの複合施設を建設するために1985年に開催されたコンペティションに、アブラハムが選ばれ、1988年に完成させた施設「IBA」。

IBA BERLIN, Friedrichstrasse 32-33 (1985-88)

ビル自体は６階建てで、通りに面した壁には対角線とビルの正面に直接付けられた鉄格子からなる長方形の要素が効いたグラフィックデザインがほどこされている。ブロック内にある円形のカントリーヤードとに沿うように、ビルは半円形になっている。照明と効果的なグラフィック要素としての働きをする影を演出するのと同様に、鉄格子もまたショップとオフィスの上にある階の左右対称のバルコニーを支えるという建築上の機能を携えている。

Unlimited space, Metaphorical Houses (1970-72)

「メタポリカルハウス」は、アブラハムが彼自身で現代語風に名付けた理論的なプロジェクトで、山中にある彼の原点ともいえる場所にある納屋、壁、倉庫等のなかから発見したシンプルな建築物の構造、自然に、見栄を張らず、かつ力強く、表現力があり美しい情熱的な体験の探究を形にしたものである。アブラハムによると建築とは下に挙げるものとのミックスだと言う。

夢、炎、イリュージョン、山、死、底なしの地獄
誕生、花、変形、変化、祭、におい
スパイス、儀式、熟考、雲、矛盾、石
コントラスト、川、破壊、風、太陽、星
愛、月、実行、憎悪、熱狂、動作
やわらかさ、記憶、メタリック、無情さ、願望、苦痛
木製品、停滞、満足感、結晶性、ガラス、親密さ
顔、距離、行動、洞察力、悲観、エクスタシー
密度、空き地、不条理、孤立、葬式、子宮
睡眠、壁、復活、官能性、擁護、再覚醒
天空、腸、寒さ、肉、立方体、深淵
朝、日々、沈下、透明性、光、場所
夜、四角形、予想、優越、春、建物
冬、スキー、夏、秋、火、地平線
氷、無限、水、地球