スタジオ・アッズーロ

PEOPLEText: Loredana Mascheroni

テクノロジー時代における人間的で詩的な経験のために。

スタジオ・アッズーロは「叫びではなく、かすかに繰り返す物語」というメッセージで国際的に有名になったアーティストのグループだ。私達のウエブサイトの開設にむけ、何かアイディアはないだろうかという事でこのグループに会った。数時間に渡る論議の後、パーティーで彼等がインスタレーションを用意するという当初の方針は、彼等にウェブを担当してほしいという強い願いに変わっていった。

触れることはない、現実の世界もない、インタラクティブカーペットあるいはパラシュート、というのがスクリーンを通して意味を持つ。


Images from the interactive installation “Tavoli”

スタジオ・アッズーロは、それぞれ異なる気持ちを一緒にすることを通じ、アーティスティックなビデオリサーチプロジェクトを行う試みとして1982年に結成された。 ミラノ出身の写真家、ファビオ・チリフィーノ(b.1949)とリミニで生まれビジュアル・アートと映画を制作しているパオロ・ローザ、パルマでグラフィックスとアニメーションを中心に活動するレオナルド・サンジョルジ(b.1949)、そして1995年最後に参加したのがインタラクティブ・システムで活動するステファノ・ロヴェーダ(b.1959)。

スタジオ・アッズーロのリサーチは、スタート時から彼等の定義した「ビデオ環境」に参加する人々の注目のもと、エレクトロニックなイメージを環境の中に統合する事に重点を置いている。フィルムとショートフィルムのプロダクションで明らかになる、平行にある映画制作の解釈に関する分野としてのショーやミュージカルオペラを行うデザインと設備を持った劇場空間へと広がっていく経験だ。


Characters in the interactive installation “Il giardino delle anime”

その仕事は彼等の表現によると、「オッチ・インパーフェッティ(不完全な目)」。ビジュアル・リサーチ、エレクトロニック・イメージ、そして現代のオンラインミュージックに向けられた目。

不完全な目を持つことは、人間にとっては自然な状態だ。この身体的限界は、21世紀のエレクトロニック・イメージの宇宙を探究する事を可能にする。私達の目はゆっくり動き、そして完全ではない。目をすばやく動かした後にその敏感な表面を修復することができないからだ。つまり、私達はとても速く変化するイメージには騙され続けるという事だ。

幅広いアクションや飛躍的な前進、将来への見込み等を吸収するために、限界が口実になることも多い。それは年代に関係するだけではなく、ふるまい、カルチャー、民族にもリンクする。「不完全な目」はこういった状況では別な意味も持つ。小さく光る四角やギザギザの縁、速い動きや実際にはあり得ない形のモザイクの中で、確かにぼやけて曖昧さを持つ合成的なリアリティーとして受け入れてしまうという自発性をもっているからだ。


Interactive installation “Tavoli”

しかし、いったい「不完全な目」というのはなんだろう。サイトのことか?インタラクティブ・インスタレーションのこと?映像実験の場?はたまた、ビデオリサーチのための道具だろうか?このオンライン作品をいろんな方向から解釈することで、これらの問が明らかになるだろう。

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