カウパレード・ニセコ
HAPPENINGText: Aya Shomura
“CowParade Niseko”, Yumi Fuzuki, “Komore-bi”, Hirafu Downtown Area, 2015
少し奥まった場所にあるホテル山自然には、高校在学中に第46回現代詩手帖賞を最年少で受賞、初詩集にして第15回中原中也賞受賞など、活躍が目覚ましい詩人の文月悠光の作品が佇んでいる。「木漏れ日」と名付けられたカウは、そこだけに木漏れ日が降り注いでいるかのように静かで穏やかだ。カウ表面に刻まれた詩にも注目して欲しい。
“CowParade Niseko”, Takuya Yonezawa, “Cow Ball”, Hirafu Downtown Area, 2015
今回、初めての立体作品に挑んだ若手作家の一人、米澤卓也のカウのテーマは「ミラーボール」。円形にカットされたガラスをカウのボディに貼付けた作品だ。「円形のガラスを300個弱使用しましたが、貼り慣れるまでが特に大変でした」と制作を振り返る。乱反射するカウは光学迷彩のごとく、ニセコの大自然に溶け込んでいた。
“CowParade Niseko”, Kumi Shibata, “Aquatic Cow”, JR Kuchan Station, 2015
もちろん、倶知安駅でもカウがお出迎え。列車で一緒に乗り合わせた年配の登山客らも、口々に「あら牛さん、こんにちは」、「かわいい」と評判が良い。
“CowParade Niseko”, Souvenirs, hirafu188, 2015
本イベントでは、無料でダウンロード可能な公式アプリ(アプリ名:COWBOY Cow parade Niseko)がリリースとなった。このアプリでは、カウのデザインの画像やアーティスト情報だけでなく、カウの近くに行くと反応するGPS対応。多くのカウに会えば会うほどお得な情報やクーポンも入手可能な特典付きとなる。また、関連グッズも数種類販売されており、お土産に喜ばれそうだ。
“CowParade Niseko”, Mini Moo, Shine on Kids, hirafu188, 2015
公式フェイスブックでは、カウ制作期間中の制作風景画像や動画で随時公開され、話題を呼んでいた。アートに加え、チャリティとしての要素も大きく持つ本イベントでは、展示後にカウがオークションにかけられ、収益金は子供のための慈善事業に寄付される予定だ。会場には、実際に小児がんや重度の障害を負った子供たちのデザインしたミニカウも設置されている。
カウパレード・ニセコをきっかけに、冬場のアクティビティだけではない夏のニセコの魅力を発見できそうだ。
CowParade Niseko
会期:2015年7月1日(水)~10月1日(木)
会場:ニセコ、倶知安エリアに点在(地図ダウンロード)
アーティスト:小林俊哉、シュゥン、シンヤチサト、末次弘明、力石咲、文月悠光、松岡亮、米澤卓也、ワビサビほか(五十音順/全47体)
公式アプリ:コチラよりダウンロード(無料)
主催:一般社団法人ニセコプロモーションボード
協賛:池内グループ、シャレーアイビー、HTホリデーズ、ニセコグラン・ヒラフ、ニセコHANAZONOリゾート、デロイトトーマツ、木ニセコ、ニセード、MnKニセコ、エクスプロア・ニセコ、フレッシュパウダー・ニセコ、シレーニ・エステート、エヴィアン、サンクチュアリー・ニセコ、ニセコプロモーションボード、リングプロジェクト、スカイバス、坐忘林、雪華、スキージャパン・ドットコム、ザ・ヴェール・ニセコ、ニセコ町、ザ・ニセコ・カンパニー、吹雪、ザ・バーン、四季ニセコ、ウエスト・カナダ・ホームズ、アルペン・リッジ、ザ・ニセコ・サプライカンパニー、オージービーフ、株式会社双葉工業社、株式会社中山組、岩田地崎建設株式会社、清水建設株式会社
TEL:0136-21-2551
観覧無料
https://cowparadeniseko.com
Text: Aya Shomura