キャスパー・チャン
PEOPLEText: Justin Tsui
「Disinlok」として知られるキャスパー・チャンは、香港の将来性ある若きアーティストだ。競争が激しいデザイン界において、描写よりも意志を前面に押し出したイラスト・ポートフォリオは、才能を際立たせる。作品は、ロマン主義を伴い、ファッション、イラスト、グラフィック、写真の情熱が重なり合う。ファブリカのツアーで、デザイン学生から強固なアイデンティティを持ったマルチアーティストへと変貌を遂げたキャスパーは、国際舞台での活躍を最終目標としている。
バックグラウンドを教えていただけますか?
香港工科大学でビジュアルコミュニケーションデザインを専攻していました。卒業後、いくつかのグラフィックデザインスタジオでデザイナーとして働きました。目に見えるものが好きなので、いつも印刷物や出版物に興味を持っていました。今は、地方の出版会社でグラフィックデザイナーとして働いています。
ウェブサイトを拝見したところ、グラフィックデザイン、イラスト、写真、ファッションなど様々な分野の作品を掲載されていますね。ご自身の立場はどのようなものですか?
正直言いまして、自分で立場を決めるのは妙な感じです。グラフィックはやりますが、僕は自分がグラフィックデザイナーだとは考えてはいません。イラストやグラフィックに加えて、ファッションにも非常に興味があります。なので、ファッションをイラストやデザインに統合したいです。ファッションの要素をデッサンやデザインに好んで取り入れますし、グラフィックデザインは僕にとって情熱を表現する媒体にすぎません。
IT POST Issue 4
デッサンにはどうして夢中になったのですか?
初めてデッサンしたのは大学の最終学年の時だと思います。描いた時には、何も目的がありませんでした。初デッサンで虜になって以来、デッサンすることを止められなくなりました。
Fabrica project
2007年にファブリカに参加していますね?そこでの経験について教えていただけますか?面白い出来事などありましたか?
最初からとても面白かったです。大学の最終学年のプロジェクトでファブリカについての出版物を出しました。それからある日、Milkxhakeデザインスタジオのディレクターであるジャビン・モーが卒業発表の時に話しかけてきて、出版物をファブリカに送るように薦めてくれました。彼はファブリカでの経験を話してくれて、決心が固まりました。それから、ポートフォリオをファブリカに提出して、トライアルで僕が選ばれたと分かった時には本当に興奮しました。
2週間で数多くの面白いことが起こりました。でも、いつも思い出すのが、イタリアに到着した初日に迷子になったことです。バスに乗ってから電車に乗る必要があったのですが、完全に迷ってしまいました。幸運なことに、尼さんと北京語を話せる女性とカップルが助けてくれて道を教えてもらいました。印象に残る出来事でした。
Casper and his Fabrica friends
ファブリカでの経験にはどのような影響を与えられましたか?また、何を学びましたか?
ファブリカは「人種のるつぼ」です。様々な国から、様々な言語のデザイナーやアーティストが来ています。しかし、チームとして仕事を一緒にすることに言葉や文化の壁はありません。実際に彼らから異文化を学ぶ機会が得られたことは非常に喜ばしいことでした。この経験はデザインにおいての視野を広げ、僕の作品を国際レベルに引き上げてくれました。
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