カウパレード・ニセコ

HAPPENINGText: Aya Shomura

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“CowParade Niseko”, Saki Chikaraishi, “Knitting Cattle Mutilation”, Hirafu Downtown Area, 2015

また、ひらふ十字街界隈には、ハイパーニットクリエイターの力石咲らの作品が点在。力石のカウは、滞在期間に収集した「ニセコの記憶」を編み込んだ作品で、表面をコーティングしていないため、時間とともに風化し表情を変える。小型のUFOが紡ぎ出すニットに包まれているそうなので、UFOがどこにいるのかを探すのも楽しい。

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“CowParade Niseko”, Jan Van Wezmael&Eight, “Sir Lion”, Hirafu Downtown Area, 2015

なかにはパステルカラーで可愛らしい見た目とは裏腹に、近づくと牛肉の部位で色分けされており「ジューシーでおいしい」といったような説明(感想)がそれぞれ書き込まれている。その名も「サーロイン」。ほかにも、山梨県から参加した北海道出身の参加者も家族で訪れ、自身の作品が置かれている環境を堪能していた。

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“CowParade Niseko”, Hiroaki Suetsugu, “Really really love it!!!”, Hirafu Downtown Area, 2015

草原をまとったような末次弘明のカウの背中に、バッタが休んでいるところを発見。このカウ、なんと下塗りの時点で赤や青など複数の色が使用されており、表面の緑色に奥行きが感じられるのである。室内での静謐なインスタレーション作品というイメージのある彼の、新たな一面を垣間みることができた。

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“CowParade Niseko”, Toshiya Kobayashi, “Cow Dreams, too”, Hirafu Downtown Area, 2015

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“CowParade Niseko”, Chisato Shinya, “Brace”, Hirafu Downtown Area, 2015

ひらふ坂もカウが多く、ゆっくりとカウを散策していると急な勾配もさほど気にならない。ここにも、ドイツをはじめヨーロッパや国内の展覧会にも招致されることの多い小林俊哉、そして絵本の挿絵をはじめ雑貨、菓子パッケージなど幅広くデザインするシンヤチサトのカウが思い思いのスタイルでニセコを満喫している。隣に座り込み、空を見上げている子供もいた。

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