シンガポール・アート・ウィーク 2014
日本からの祭りやお祝いごとを表現した、チームラボのジオラマが生み出すインタラクティブなビジュアルと音のインスタレーションは、観客自身がモーションセンサーによって音楽環境に動きを与えることで、印象的でつい引き込まれてしまうような調和を象徴した環境をつくりだす。
© Teamlab
現代技術からもっと伝統的な素材までも扱うベトナム人のアーティスト、グエン・オアン・ファイファイがつくり上げたのは 素材と光を使ったじっくり物事を考えるためのスペース。チャペルに置かれ漆塗を施された空間は、まるで観客にそのトンネルで自分の存在を顧みるようこの作品「スペキュラ」が招いているかのような印象を与える。
アンカー・イベントはさておき、美術の愛好家は気楽に作品にアプローチできるようになっていた。ギャラリーは夜遅くまでオープンし、火食いのパフォーマーやミュージシャンがパフォーマンス、さらにDJも登場するなど、普段の日中の趣があって落ち着いた舞台とは異なるトーンの楽しいカーニバルとして、ギルマン・バラックスでの初めてのナイト・アウト・イベントは活気にあふれていた。
© Nguyen Oanh Phi Phi
また「アート・イン・モーション」では芸術に貪欲な観客をのせたバスツアーが13のギャラリーをめぐった。イベントは、ホワイトキューブに留まらない独特のセッティングも特徴で、例えばドーン・ンのネオンライトを用いたインスタレーションは、バー「ルーフ」の屋上に展示された。
アートが詰まった一週間でもう今年はおなかいっぱいだとちょうど思った頃、今年11月のシンガポール・アートフェアのデビューが発表された。80以上のギャラリーとそこで見られる20のショーが約束されているとなると、もうアート十分だ、とは言っていられない。
Singapore Biennal 2013
会期:2013年10月26日(土)~2014年2月16日(日)
会場:Marina Bay Sands
住所:10 Bayfront Ave, Singapore 018956
https://www.singaporebiennale.org
Art Stage Singapore
会期:2014年1月16日(木)~19日(日)
会場:シンガポール各会場
https://www.artstagesingapore.com
Text: Fann ZJ
Translation: Akari Otomo
Photos: Courtesy of Singapore Biennal © the artist
