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「ロック・ルート」展

HAPPENINGText: Haru Murayama

植民地時代のイギリス軍施設跡地に、2012年、シンガポール最大のアート地区として作られたギルマン・バラックス。そこにパブリックアートを展示するための企画展「ロック・ルート」が、6月30日まで開催されている。キュレーションは、シンガポール美術館のシニア・キュレーターとして活躍し、現在チャン+ホリ・ギャラリーのディレクターを務めるカイルディン・ホリが手掛けた。

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Cleon Peterson (USA), The Marcher © Gillman Barracks

「ロック・ルート」はギルマン・バラックスの住所であるロック・ロード、そしてかつてシンガポールの陸軍兵士が行進訓練を行っていた24kmもの長さがある道路から着想を得ており、ギルマン・バラックスがかつての軍施設を利用している歴史的側面にも立ち戻っている。本展では、世界で活躍している、あるいは国際的に注目を浴び始めた新進のアーティストに、シンガポール国内で活動するアーティストを加えた15名の作家による、16の屋外作品が展示されている。場所の固有性を活かしたインスタレーションや彫刻、壁画などが展示されており、アーティストの新作も含まれている。それらは観る者をギルマン・バラックスを横断するサイトトリップに誘い、より近距離でのアートとの出会いを経験させてくれる。

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Mel O’Callaghan (Australia/France), Parade © Gillman Barracks

特に注目すべき作品として、ロサンゼルス出身のクレオン・ピーターソンによる壁画「Land of Shadows」や、バーニング・マン・フェスティバルで作品を発表しているキルスティン・バーグによる彫刻作品「Constellation of One」が挙げられる。オープニングイベントでは、他分野に渡る作品制作を行うシンガポールの若手芸術家集団・カイゼン M.D.によるライブパフォーマンスが、インタラクティブなインスタレーション作品「パレード」の前で行われた。その作品は、オーストラリアとフランスで活動するアーティスト、メル・オキャラハンによるものだ。また、インドネシアのアーティスト集団・インディゲリラは、シンガポールのメンズサロン「We Need a Hero」と共に、インタラクティブな体験ができるインスタレーション作品「Goyang Cukur」を美容室で展示した。

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Benedetto Bufalino (France), Art Gallery © Gillman Barracks

今回、ロック・ルートに展示された作品の9か国から集められた15人の作家は以下の通り。
カレオン・ピーターソン(アメリカ)、キルスティン・バーグ(アメリカ)、ティエンチョウ・チェン(中国)、Zheng Lu(中国)、メル・オキャラハン(オーストラリア/フランス)、ベネデット・ブファリーノ(イタリア)、エンタン・ウィハルソ(インドネシア)、インディゲリラ(インドネシア)、Oanh Phi Phi(ベトナム)、マイトリー・シリブーン(タイ)、Shahrul Jamili Miskon(マレーシア)、Acit Salbini(シンガポール)、Gerald Leow(シンガポール)、 Sheryo+Yok(シンガポール)、Stephanie Jane Burt(シンガポール)。

LOCK ROUTE – A Public Art Showcase at Gillman Barracks
会期:2017年1月13日(金)〜6月30日(金)
会場:Gillman Barracks の各所
住所:9 Lock Road, Singapore 108937
https://www.gillmanbarracks.com

Text: Haru Murayama
Photos: Courtesy of Gillman Barracks

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