SMAL国際会議「デジタルの裏庭」

HAPPENINGText: Magdalena Taube

近頃、誰もがジャーナリストになる。ツイッターのようなマイクロブログのためのブログ・ソフトウェアやプラットフォームなど、様々なツールを使用して、普通の人々は微細なニュースまでを提供することができるのだ。社会的、文化的、政治関連のイベントに参加するとき、彼らは、自分たちの見たことを共有できる。そして、直接アクセス手段を持つ既存のニュースに関して、報告、修正、補完することができる。

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「リロードされた出版」と題されたワークショップでは、出版の未来を取り上げた。そこには本誌「SHIFT」の編集長・大口岳人、「グローバル・ボイス」の日本語エディターである田中恵子、ドイツ議会における「緑の党」のインターネット政策と著作権の専門家であるクリス・ピアラ、モデレーターとしてベルリーナ・ガゼット編集長のマグダレーナ・トウブが参加した。

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市民メディアやデジタル出版の分野で多くの経験を持つこのグループは、いち早く「私たちの活動をどのように持続できるだろうか?」という質問を提案した。出版界がますますグーグルとフェイスブックのようなグローバル・プレーヤーによって支配される中、また、誰もが簡単に出版できる時代となった今、どのように代替の出版フォームを維持することができるだろうか?

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クリス・ピアラは、デジタルの混乱の時代に新たな話題の必要性を述べた。一般的な枠組みがあれば、特別な文化的生産や出版による争いを知覚し、乗り越えることができる。私たちは差別化されたアプローチ(ミクロレベルで)と同時に、全ての人の文化へのアクセス権を宣言し、既存の大きなメディアが同意する程包括的で十分な話題が必要なのだ。デジタル時代の話題は、主に「ただネットを借りているだけ」というような持続可能性の概念が主となるかもしれない。環境保護運動は、共有資源に対する皆の責任の宣言にかなり成功した。私たちはこのことから学習することができた。私たちは皆、生産者・消費者として、使用するウェブサービスおよび閉鎖生態系の契約法に依っている。開かれた共有資源として文化的生産を理解する場合のみ、私たちは持続可能な状態を保持できるだろう。

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他のワークショップの行程の中であげられたものと同様に、このグループの課題の出発点は、「人々のより多くの力を!」というものだった。大口岳人は、人々がローカル・ニュースを組織し、それを支援するテンプレートを作成するアイディアを思いついた。グローバル・ボイスのようなテンプレートをローカライズし配布することができれば、皆が自身のデジタル地方紙を作成することは簡単になるだろう。札幌には100万人を超える読者を持つ非常に強力な地方紙、北海道新聞がある。デジタル地方紙の挑戦は、既存の読者に接続し、彼らが自分の新聞の生産に活動的に従事することを支援することなのだ。

明らかに、そのようなピア・プロダクション(集合知を利用し、共有しながら発展していくもの)は、人々の力が、行政と経済からの力で補われる場合、持続可能になる。それらのセクターが持続可能になるためには、大量の創造的な出力を補完する適切な環境(私たちは法律と規則について話しています)を作成する必要がある。

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