とかち国際現代アート展「デメーテル」
Sky TV, Yoko Ono (Japan)
朽ち果てた物置き小屋、木の上、タイヤの山の中、厩舎等、会場内のいたる所で帯広の空を映しているテレビを目にした。総計81台のテレビは、オノ・ヨーコが1966年に発表した作品「SKY TV」のマルチ・バージョンだ。
Sky TV, Yoko Ono (Japan)
テレビは機械なのに、自然の中に放置された状態でも違和感を覚えなかったのは何故だろう。厩舎の中は、馬一頭ずつが休めるような馬房になっているのだが、そこにもテレビを見つけることができた。馬房は意外にも狭く、窓も小さく薄暗い。そこに空を映し出したテレビをじっと見ていると、外界への憧憬を感じた。
Sky TV, Yoko Ono (Japan)
『人生でいろいろなことがありました。でも、見上げるとそこにはいつも空が広がっている。どんなときにでも、私には空があるのです』というオノ・ヨーコの言葉を反芻してみると、小さなことでイライラしたり悲しくなっていることがどうでもよくなり、ちょっと力が湧いて来る気がした。テレビの横には1センチ四方の空のシールが設置されており、それを集めがてらテレビを探すのも楽しかった。そのシールを番号順に並べて行くと、私の目の前に小さな青空が広がった。
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