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とかち国際現代アート展「デメーテル」

HAPPENINGText: Sachiko Kurashina


Flower Power Waiting Room, Wolfgang Winter and Berthold Horbelt (Germany)

帯広駅前にも、彼等のもう一つの作品「花力待合室」が展示されている。3メートル程のこの白いパビリオンは、「デメーテル」を訪れた人の情報収集のブースという役割だけではなく、競馬場へ向かうバスの待合室としても機能し、色鮮やかに咲き乱れる花々に囲まれている。私は昼、夜と2回このオブジェを見に行ったが、ライトアップされた夜の方が独特の雰囲気を醸し出していた。「帯広‐ライトマシーン」同様、光によって白という色も変化し、様々な表情を確認することができた。


Flower Power Waiting Room, Wolfgang Winter and Berthold Horbelt (Germany)

ゆっくりとした口調の英語に誘われるようにモンゴルのゲル風のテントに入ると、シネ・ノマドによる映像作品「スリー・ウィンドウズ」が上映されていた。シネ・ノマドは、ニコラ・ハンベルトとヴェルナー・ペンツェルによる映像作家チーム。この作品は、ギリシャのパトモロス島で生活をしたアメリカの詩人、ロバート・ラックスの静かな日常を3つのスクリーンで映し出すもの。テントの中の暗闇に目が慣れて来た頃、まずはモンゴル風の装飾に興味をそそられたが、気付くとポエティックなモノクロ映像にのめり込んでいた。


Three Windows, Cine Nomad (Germany, Switzerland)

「ただの日常を撮影しただけ」と思い、1分で飽きてしまうことは簡単だ。しかし、ラックスと観客の間の掛け橋的要素を持つ3つのスクリーンに目が釘付けになってしまったのは、ラックスの飾らないスタイルと、シンプルな言葉、そしてギリシャの牧歌的風景がスクリーンの中で絶妙に一体化しているからではないだろうか。

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