ペッパー&ピストル

PEOPLEText: Yukiko Oyama

ドイツ人デザイナー、カトリン・ウェンスとシルビア・ヒルマンによるニューヨーク発ウィメンズファッションブランド、ペッパー&ピストル。彼女達の作品は毎回ストーリーを考え、私たちを不思議な世界に連れて行ってくれる。それはとてもユニークで、遊び心が満載。ルックブックに登場する女の子は何を思い、そしてその世界はどのような所なんだろうと考えさせられる。ファッションをシリアスに捉え過ぎること無く、自分を持っている人に着てもらいたいと願う2人に今回お話を伺った。

ペッパー&ピストル
Winter 08 – Underworld

自己紹介をお願いします。

シルビア・ヒルマン:ロンドンでファッションを学んだ後、ボウディッカでアシスタント経験を積みました。その後クレメンツリベイロやエマニュエル・ウンガロにてレザージュエリーデザインを制作しながら、エドワード・グリフィスにて働いた経験もあります。
カトリン・ウェンズ:グラフィックデザインを学び、奨学制度を得て日本で美術の勉強した経験を元に自身のデザインを発展させました。クライアントには、へザレット、ジャスト・カヴァリ、カルバン・クライン等があります。

2人の出会いと、一緒に活動することになった経路を教えてください。

ドイツ人スタイリストの友人に紹介されたのがきっかけです。二人とも創造力があって、(出会った当時)仕事以外にも「新しい何か」を始めたい、クリエイティブな冒険が必要だという気持ちがありました。スタートさせた時は二人ともとても短絡的で、どんな風に進んでいくのか、また、こんなにすぐ真剣に取り組んでいくことになるとは考えてもいませんでした。

ペッパー&ピストルペッパー&ピストル
Winter 08 – Underworld

なぜ、ファッションの世界を選んだのでしょうか?

私たち二人ともファッションが大好きで、ファッションを通して自分のスタイルを表現することが好きなんです。だから自分たちの服をデザインしたいという思いはとても自然な感覚なんです。

いつも作業はどのように進められていますか?

毎シーズン、遊び心のあるテーマや面白いストーリーを決めてコレクションを展開しています。多くのひらめきを得る為にも、本、文学、写真、古着を見たりしています。ドレーピング(立体裁断)はデザイン画を下にした方法よりも、洋服の細部の加工や、自由な発想から新しい形を生み出すことを可能にしてくれます。それはとてもクリエイティブで、予想外の変化を生みます。またプリント生地の模様は、広範囲の刺繍やその他の装飾によって様相を変化させ、そのデザインによりスクリーンプリント、アップリケ、大胆な配色方法、さらに洋服全体の形になったりといった手法にもつながっています。

ペッパー&ピストル
Spring 08 – Swarms

「ペッパー&ピストル」の名前の由来を教えてください。

最初のシーズンのテーマは、私たちが子どもの頃好きだったドイツの童話”ピストルを持った泥棒がコショウを撃つ”というものでした。初めてのコレクションは時間が足りず完成させることができなかったのですが、結局その時のテーマがブランド名になりました。そしてその名前は、お互いのファッションとグラフィックのバックグラウンドが最高の発想を生むという、融合する二つの要素を表すのにはぴったりな名前なんです。

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