イエロー・ペリル

PEOPLEText: Adam Hulbert

最近、「アンダーグラウンド」というコンセプトの誤用が一般にはびこっているにもかかわらず、あなたがやっているイベントや発行物は、純粋にサブカルチャーに対する草の根的なアプローチでの自主経営を目標とし、アンチ金儲け、アンチ企業というスタンスがあるように感じます。シドニーのダンス/エレクトロシーンは企業スポンサーシップを通してどの程度妥協していると思いますか?

今現在のダンスシーンやその他のシーンは1980年代の終わりに育った人達で作られています。その頃は政府が全てを民営化し、企業を奨励していました。レイブは全て企業家のアイディア次第です。税金を払っているレイブプロモーターを何人知っていますか?それと同時に、レイブはコミュニティーでもあるので、クリエイティブな摩擦を生み出す2つの傾向があります。1994、1995年に警察の取り締まりによってレイブや関連イベントが姿を消してしまった時に、クラブへと移動して行きました。クラブではアルコールを出し、それに応じて音楽も移り変わって行きました。クラブの場所と、観客がクラブスペースと互いに影響し合った結果が、音楽的な束縛を巻き起こすのです。

なぜ皆がイベントのための一種の冒険資本として企業スポンサーと契約するのかは理解できます。海外ツアーという点に関しては特に。でも、皆が他の手段を考えているとは思いません。例えば、資本金を集めるとか。資本金を集めるということは、人が集まってお金を出し合うということです。バンドのツアーを呼ぶとすると、5000ドルの費用がかかります。僕達ならシドニーでそのバンドのライブを見たいという人を10人集めて、それぞれに500ドルづつ出してもらいます。もしパーティーで4000ドルの利益しか得られなかった場合は、1000ドルの損失を10人でシェアします。それぞれ100ドルで、長い間見たいと思っていたバンドと一緒に過ごす経験ができ、公平な取り引きになります。もちろん、投資した10人はお互い一生懸命にイベントをプロモートし、最大限の努力をすることになります。

スポンサーと契約しなければならない時に、彼等も同じようにその取り引きから何かを得ているのだということを理解することが大切です。スポンサーのことを考えてステージを飛び回る必要は少しもありません。スポンサーはどんな場合でも、アンダーグラウンドなイベントに関わったことが嬉しいのです。慈善パーティーでの例を挙げると、スポンサーはイベントの費用を引き受けるためにパーティー運営に使われ、その代わりスポンサーは大規模なアンダーグラウンドイベントに関わることができたのです。リーバイスのようなスポンサーがついた時にはそのことを理解しなければなりません。彼等はここ10年間で「若者」向けの市場シェアが大幅に崩壊している立場にいるのです。実際彼等は音楽や人は気にしていません。同じように、アルコールのスポンサーと契約した時には、アルコールがイベントで大規模な暴力沙汰を巻き起こし、社会的な問題を引き起こすことは言うまでもないということに気付くべきです。

最近、スナールはいくつかのことをフリジッドと平行してやっていますね。フリータイムには何をしているのですか?(インタビューを受けることは別にして)

フリータイムですか?スナールではウェブページをやり、デイル・ハリソンと共に雑誌を編集し、ストリートのプレスやいろいろなところに記事を書き、日々の仕事としてITで働き、UNSWとUTSでメディアと社会政策について教えています。レックスは設備の整ったスタジオでサウンドを制作し、日中はITで働いています。僕達はもう3年もの間、家でくつろいで日曜の夜のテレビを見ていないんです!

では、今後の予定は?

沢山リリースし、フリジッドを多様化し、続けていきたいと思っています。

Text: Adam Hulbert
Translation: Mayumi Kaneko

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