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カミシマ・チナミ イエロー 2014 秋冬コレクション

THINGSText: Ayumi Yakura

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北海道発の東京コレクション出展ブランド「KAMISHIMA CHINAMI」のセカンドラインとして、空想のストーリーを展開させたオリジナル・プリントのクリエーションが毎シーズン楽しみなブランド「KAMISHIMA CHINAMI YELLOW」。2014年の秋冬コレクションは「spiral of dream」(夢の渦巻き)がコンセプトだ。

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降り注ぐ彗星、ブラックホールの暗闇、煌めく宝石、曲線を描く草花、大好きな猫など、様々なモチーフがラフなタッチで散りばめられた『グラフィティクレープ』は、美しいもののデザインを考えている最中、頭の中に浮かんでは消える空想を落書きしたかのようなプリント。その多彩な世界観が、日本の最新技術を駆使した1677万色の表現が可能なインクジェットプリントによって表現されている。
カラー展開はオフホワイトのほか、ライムイエロー、ベージュ、ブラックの4色。フェミニンなスカートやワンピース、マスキュリンなパンツへと形を変えて、コーディネートの幅を広げてくれる。縮緬(ちりめん)に織られた柔らかなタッチのレーヨンは、着心地を重視する人も夢中にさせる素材だ。

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今期を象徴するもう一つのプリント『ぐるもくウール』は、寝ても覚めても頭の中で湧き上がるアイディアが、もくもくと雲のように広がっていき、ぐるぐると渦のように考えあぐねる様子を描いたという独創的なデザイン。チャコールグレーとライトグレーのシックな2色で展開する。弱起毛によりふくらみ感、柔らかさ、保温性を持たせたウール素材は、秋冬の北風からも優しく守ってくれるだろう。
ブランドの特長である独特のテクスチャーや印象的なカラーは、パターンの開発から異素材縫製、製品染めなどのプロセスを一貫してアトリエで手掛けるこだわりから生まれているが、今回は特別に、京都の伝統あるプリント工場の繊細な加工技術により、ウールへの捺染プリントが施された。

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デザイナーは北海道出身のササキ・ハナ。2006年秋冬コレクションからスタートした“YELLOW”のネーミングには、平和やエネルギーの意味が込められているという。
常識にとらわれることなく、様々な素材が持つ特徴を機能的に活かしながらデザインに盛り込んでいき、黒や淡色であっても新鮮な印象を与えるフォルムは、凍える季節でも着る人を活動的にさせ、廻りの人々を明るい気分に巻き込むことも夢ではない。

Text: Ayumi Yakura
Photos: Tomoyuki Matsushita

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