アートフェア札幌 2014

HAPPENINGText: Hanae Kawai

とくにホテル型アートフェアは、コスト面のメリットだけではなく、来場者があらかじめ部屋に飾られた状態のアート作品を観ることができるため、生活とアートをつなげながら鑑賞できる。それぞれのギャラリーの異なる空間コーディネートを見比べるのも楽しみ方のひとつ。

アートフェア札幌 2014
1407号室 モグラグ・ガレージ(東京・京都)

モグラグ・ガレージ(東京・京都)では玄関から窓際、ベッドまで、たかくらかずきのタペストリーや、カラフルなシーツがひかれた伊波英里の「ベッドの上で食べるピザ」をコンセプトにしたユニークな作品が部屋中をカラフルに彩った。

アートフェア札幌 2014
1408号室 MUG(東京)

MUG(東京)では入口に設置された小型の望遠鏡を覗き込んで楽しむ山下耕平の登山をモチーフにした体験型アートが大人気だった。また、写真の待場崇生のユニークなアート作品は、そのインパクトが来場者を惹きつけた。壁に飾られた「Peekaboo」は、表面がめくられ中身がそっと見えている。“Pee-ka-boo”とは、「いないいないばぁ」のこと。ちょっとしたストーリーが垣間見えるのも面白い。

アートフェア札幌 2014
1304号室 同時代ギャラリー(京都)

同時代ギャラリー(京都)の部屋はモダンかつトラディショナルな雰囲気が特徴的だった。マリリン・モンローがモチーフにされた權宰賢の「Monroe & SEXY」のポップなアート作品がある一方、写真の日本の伝統的な漆芸を用いた佐々木友恵の作品や秋山はるかの焼き物などが、和の空間を作り上げた。

アートフェア札幌 2014
1306号室 ギャラリー点(金沢)

または、ギャラリー点(金沢)のように非日常的空間を演出できるのもホテル展示の特徴。ギャラリー点では、バスルームに菊谷達史の絵画が並べられ、写真の小曽川瑠那の繊細なガラス作品がベッド上に展示されていた。堀一浩の強大な絵画もまた注目を集めた。写実的に描かれたそれらの作品は、異空間と現実が混ざり合い、独特の雰囲気を醸し出した。

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