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アートフェア札幌 2013

HAPPENINGText: Ayumi Yakura

国内の3つの府県からも特色あるギャラリーが出展した。札幌に居ながらにしてこれほどのギャラリーを巡る機会は初めてであり、来場者が戸惑いを感じても不思議ではない。フェアなのだから買う目的でアートを見ることが自然だが、それが難しい場合はイマジネーションを働かせると良い。買うつもりで見る、全て我がコレクションというつもりで見るなど、楽しみ方は無限にある。購買意欲が余るなら、青幻舍による2階の特設ストアへ寄って、画集やアーティストグッズを手に入れれば良いのだ。

1411号室 同時代ギャラリー(京都) 写真:小牧寿里
1411号室 同時代ギャラリー(京都)

同時代ギャラリー(京都)の、アリアン・モノによる、大きなパノラマのアルミ板に描かれた油彩には、実物に対面する価値がある。一瞬だったが、人工物であるアートの美が、自然風景を超えることが有り得るだろうかと考えてしまうほど美しかった。秋山はるかの焼き物は素朴な造形で、表面が割れたガラスや傷で覆われているにも関わらず、撫でてみたくなるほど柔らかな色と質感をしていた。

1409号室 ギャラリー点(金沢) 写真:小牧寿里
1409号室 ギャラリー点(金沢)

ギャラリー点(金沢)には土地柄、工芸作品が多かった。小曽川瑠那によるガラスの花びらは、分かっていてもガラスとは思えない柔らかな質感で、儚い造形に植物らしい生命力を宿していた。河野迪夫の金工は、流れるような生命体のフォルムが、白く柔らかなベッドの上でその輪郭を際立たせていた。

1307号室 ギャラリー水無月(岐阜) 写真:小牧寿里
1307号室 ギャラリー水無月(岐阜)

ギャラリー水無月(岐阜)の、飯沼由貴による「あつまる×あにまる」には、タイトル通り集まる動物が描かれていて、「集まる」という行為が異様に感じられた。細部の描写が美しく見飽きない作品だ。近澤悠子の版木には和の趣があり、墨色と木彫りの痕跡のコントラストが客室をモダンな空間にしていた。

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