フリッツ・コーナー

PEOPLEText: Victor Moreno

音楽産業はここ10年の間に変化した。おそらく過去との一番の違いはデジタルな流通によるものだろう。合法か非合法かに関わらず、こうした結果はより多くの人たちに聴いてもらったり、バンドを知ってもらったりする方法を開拓した。ほとんどのバンドにとって、人々が自分たちのことを探し出したり、そして最後にはライブにきてくれたりすることはとても嬉しいことだ。だからこそライブはより重要になる。事前にバンドの曲を簡単に聴くことができたり誰かが強力に勧めてくれることさえあるので、人々は良いギグには首ったけになってしまうのだ。実際ギグが無料だったり、すごく安ければ友達の誘いに乗るだろう。それがどんなに素晴らしいことか。無料でないにしろ少なくとも良心的な値段で、良く知られたバンドやそうではないバンドでも、これから始まるライブを見に行く機会を得ることは、音楽好きがもっとも望んでいたことだ。そんなことが可能なのかと疑うだろう。フリッツ・コーナーは、ストックホルムのNPOで、10年前からこうしたことを可能にしており他にも数々のプロジェクトも手がけている。

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どのようにプロジェクトを開始させたのでしょうか?

フリッツ・コーナーは1997年にヘンリック・サングレンとその仲間がストックホルムのセント・エリクスプランにある昔のスカッシュ場で始めたんだ。

「フリッツ・コーナー」とは、どういう意味なのですか?

フリッツ・コーナー」は、 97年当時ヘンリックが好きだった、ローカルHというアメリカのバンドの曲なんだ。

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何人くらいフリッツ・コーナーに関わっているのでしょうか?

僕等のNPOは8人で構成されているんだけど、別の2人に制作とブッキングの業務についてもらっている。それに20人くらいやる気のある友達がショウのときに手伝ってくれるんだ。

初めの頃と同じメンバーでやっているのですか?

現在は、フリッツ・コーナーをスタートさせた時とは違うメンバーで運営しているよ。僕等はその時々で新しい人員を増やしていったんだ。僕達が10年もの間やってこれたのも、そのおかげだと思っているんだ。

非営利の音楽団体として活動してますが、無料だったり、安い入場料で入れるギグを提供していますよね。このような活動の主な要因は何ですか?

僕等はストックホルムでいい評判を得ていて、たくさんの人たちが僕等のサポートをしてくれて、僕等の用意したバンドを観たがっているんだ。たくさんのフォロワーで会場はすぐにいっぱいになるから、採算のとれたショウを行うことが可能になるんだ。僕等はNPOだから多くのお金を得ることが目標じゃないんだ。採算がとれて素晴らしいバンドを招致できさえすれば、本当にハッピーなんだ!政府からたくさんの資金をもらっているわけでもないから、ショウをするときに政府の補助は僕等にとってそれほど大きな要素でもないんだよね…。

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スウェーデン政府が音楽産業に好意的な支持とサポートを行っていることについてどう思いますか?

うーん、実際は違うね。ライブ音楽産業よりも、劇場やオペラ、ミュージアムのような文化産業のほうが関心をもたれていて、資金ももっと提供されているんだよ。地元の人たちは、例えば、ミュージアムよりも音楽のライブの方に行くんじゃないかと思ってるんだけどね。

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様々な会場でイベントを開催していますが、すこしその内容を紹介してもらえますか?また、同じような構成で今後もやっていく予定ですか?それとも変更していく予定はありますか?

500人収容可能なデベイサー・スルッセンで土曜日にショウを行い、水曜日には、すこし小さめな会場のリラ・ホテルバーレンで行ってる。デベイサー・スルッセンでは、海外などビッグなバンドを呼ぶことが多いかな。小さめな会場で良いパフォーマンスを披露してくれるバンドが規模の大きな会場で同じような演奏ができないかもしれないし、その逆もあるから、いろんなショウをいろんなところでやるのがいいのかなと思ってる。他の会場でもショウをやってるし、バンドに合わせて最適な場所で、より良いショウを展開したいと思ってるんだ。あと、水曜と土曜に必ずしもバンドのスケジュールがあうってこともないしね。

新生バンドはどうやって見つけてるのですか?

友人、ブログ、一般的な音楽メディア、友人が勧めるバンド、デモ、MySpaceからのリンクなど。

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スウェーデンのバンドを広めようとする重要性は何ですか?

なんで大切かと言うと、スウェーデンには本当に素晴らしく興味深いバンドがあるからさ。僕等はお客さんが多様なライブを望んでいると感じているんだ。

デモだけしか発表してないバンドをブッキングしたことはありますか?

もちろん、僕らが良いと思えばブッキングもするさ。デモだけしかリリースしてないバンドのほうが、経験値があるバンドよりも面白いアクトをしてくれるケースが多いからね。

ストックホルムやスウェーデンの最近の音楽シーンについてどのような意見をもっていますか?

各地で様々な会場が増えてるし、 ここ2〜3年のストックホルムのシーンは今いい感じだと思うよ。

ストックホルムやスウェーデン以外でギグやツアーをマネージメントすることがありますか?

いや、全然ないね。僕等は海外のバンドがスウェーデンの各地でライブを行うのを助けるだけでそれ以上はしないよ。

興味のあるバンドをセレクトする自由はありますか?

もちろん!

フリッツ・コーナーと他のプロジェクトを一緒に行ったりしますか?

通常のショウ以外にもいろいろやっていて、秋に開催される音楽産業のサミットのノルディック・ベニューズを手伝ったりしているよ。ここ2年間はストックホルムで開催されているんだ。それと、マニフェスト・アワーズ(スウェーデンのインディー賞)の製作も手掛けてるよ。

フリッツ・コーナーで演奏したたくさんの素晴らしいバンドがいます。特に選ぶのは難しいかもしれませんが、思い出深い面白い話などあれば聞かせて下さい。

いろいろあるよ。例えば、ベイビーシャンブルズがビール1ケースでブラック・リップスと演奏したり、ピーター・ドハーティがステージを壊しちゃったり、マスタークラフトがショウの最中にステージにペパロニピザをデリバリー注文しちゃたったりとか。

今年から来年にかけての予定は?また今後の改善点など気にかけてる点などあれば教えて下さい。

デベイサー・スルッセンがどれだけオープンできるかわからないけど、現在改装中なので今後どうなるかというところだね。たくさんのことがまだ計画段階なので、これからも気にかけていてほしいね。

Text: Victor Moreno
Translation: Nozomi Suzuki

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