ハイ・ライン・パーク
PLACEText: Carlos J. Gómez
私は友人のブレンダン・フィッツジェラルドと地下鉄に乗っていた。彼は、おもむろにハイ・ラインで撮った1枚の写真を見せてくれた。それは、実業家たちのメランコリーを捉えた魅力的な写真だった。飽くことなき土地開発で、そのがっしりとしたインフラストラクチャーは、全てを呑み込み、静止したニューヨークの摩天楼やバナー広告の景色を背景にして展開されていた。彼はハイ・ラインに行ったことがあると言い、私も当然そこに行きたくなった。だが、それは、そう簡単なことではなかった。当時、ハイ・ラインに入るのは違法だったのだ。
あれから7年後、この開発が全てを変えた。2009年6月8日、ハイ・ライン・パークとして、以前は産業的遺物となっていた立ち入り禁止区域をパブリックスペースとして正式にオープンしたのだ。現在は第一期完成部分のみのオープンだが、拡張工事を進めて、2010年には2.4キロを網羅して完成予定である。歩道は、精肉加工地域のガンズヴォート・ストリートを起点に、チェルシーの20丁目が終着点となっている。
公園は、造園担当のジェームズ・コーナー・フィールド・オペレーションズと建築担当のディラー・スコフィディオ&レンフロの共同チームによってデザインされた。現在、5箇所からアクセスできる高架構造で、ランドスケープデザインと可動式ファニチャーが施された歩道になっている。建築の材料やその詳細部分は、既存の鉄筋構造をそのまま使用しており、今世紀になって廃線となっていた鉄道をリサイクルし、新たに蘇らせている。
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