PMKFA

PEOPLEText: Mariko Takei

『その作品自体がそれらしさを語る作品作りを心がけている。』

2月のカバーデザインを手掛けたのは、スウェーデン出身で現在は東京を拠点に幅広い分野でクリエイティブに活躍するPMKFA。世界中の都市を巡り、新しいことに突き進んでいくPMKFAのことは、新しいチャレンジ以外は誰にも止めることはできない!PMKFAの過去、現在、未来のチャレンジについて語ってもらった。

Sixpack Book © PMKFA
Sixpack Book © PMKFA

自己紹介をお願いします。

東京を拠点にして活動しているグラフィックデザイナーのPMKFAです。できるだけ多くの異なる分野で、できる限り質の高いものを手がけています。クライアントから今までに経験したことない分野の課題をオファーされるのを楽しみにしています。スウェーデン出身で、東京を拠点にする前のゼロ年代前半はコペンハーゲンロンドンで活動していました。

PMKFAをスタートした経緯を教えて下さい。

1999年から2000年にかけてストックホルムに戻った際、ヴァールでアートディレクターのアシスタントとして働いた後に気付いたのは、独立して活動していく必要性についてです。すべてを自分でやっていこうとするなら、雇用されるという選択肢はないなということです。それは雇用されるのが良くない経験だとかそういうことではなく、むしろその逆で、彼らのような人と仕事をするというよりは、彼らのように仕事をする必要を感じてました。そこで、1999年から2005年の学校に通う間、フリーランスの仕事を多く手がけるようになりました。学校での勉強は進むのが遅かったし、教室の外で展開したかったということもあって。2005年以来、PMKFAとしてフルタイムに活動し、その内容は最近リニューアルしたウェブサイトにて見ることができます。

最近と過去に手掛けた作品やプロジェクトをそれぞれいくつかご紹介下さい。

最近は、ちょうど手掛けたばかりなのが抽象映像で、アブストラクト・ネイチャー・プログラムと呼んでいるものがあります。サイオン2010・アートツアーのために制作した作品で、1月23日よりロサンゼルスからスタートしアメリカ国内に巡回します。この作品は、僕たちの日常生活で見るものからかけ離れたイメージを作るための自分の意志にフォーカスしたものです。僕の意見では、どのクリエイターも、作ったイメージの正当性は何かというのを自問するべきだと思うんです。常に目にしているもので構成したイメージを表に出すという理由が僕にはわからないです。もし、クリエイティビティに個人的な関係性があるなら、個性がそのイメージや見る人に移るわけで、周りにあるものをただ干渉なく表現するセンサーみたいなものでない限りは、もっと何かをイメージに与える必要があると思うのです。

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Sixpack “Marblearble” series © PMKFA

ストリートウェアブランドのシックスパック・フランスとのコラボレーションでは、毎シーズン、服とプリントを手掛けています。最近では、スクラッチのペアのシャツを制作しました。また、2010年秋冬コレクションのバックパックのデザインも手掛けました。シックスパックとの仕事は大好きで、それは彼らが僕に新しい挑戦の機会を常にくれるからです。これまでの彼らとのコラボ作品の多くは、僕のウェブサイトで見れます。「Marblearble」シリーズもその1つで、インクと化学薬品をマーブル状にしたものを使ったプリントです。

以前、ストックホルムを拠点に置くレコードレーベル「La Vida Locash」のアートディレクターとして活動していました。彼らが事業を拡大しようとしてた時に、一緒に仕事をするようになり、3年ほど継続しました。一緒に仕事をして、共に成長するのは良かったですね。レーベルのCEOのトビアスは、エネルギッシュで常に新しい冒険を探っているような人で、とても魅力的な人です。

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Kocky – “Kingdom Came” CD © PMKFA

La Vida Locashでは、アーティストのコッキーローファイファンクのアートディレクションとデザインを2007年まで担当していました。

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Vujj™ “Don’t Touch” Packaging © PMKFA

また、スウェーデンの家具レーベル「Vujj™」で、2006年からVujj™がその活動を終了する2008年までアートディレクションを担当しました。コーポレートIDやカタログ、写真などの制作に携わり、ロンドン・デザイン・ウィークとミラノ・サローネで2回出展しました。

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RVW Logo Leatherpatch © PMKFA

Vujj™では、素敵な時間を過ごし、彼らと一緒に仕事をするというのは、新生Vujj™として誕生した「RVW」のロゴの制作を手掛けたことで現在も継続しています。

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“It’s Our Thing” Identity Magikul © PMKFA

「It’s Our Thing」でのコラボレーションや、assistantとのコラボレーションの展覧会「Probarious」について紹介下さい。

It’s Our Thing」は、グラフィックTシャツのレーベルで、僕と大阪の印刷を手掛ける「Sweatshop Union」と一緒に2006年に立ち上げました。毎年、Tシャツのラインを発表し、世界中のショップに売り込みました。「It’s Our Thing」は、やりたいことを本当にやっていこうという場所です。僕の場合は、工芸的なものと自然に組合わさったものにフォーカスがあって、印刷から3Dのタグや去年のラインの木彫りのグラフィックまで、すべてハンドメイドなんです。制作で手を抜くことはないですね。

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Probarious Exhibition © PMKFA

「Probarious」展は、DIESEL DENIM GALLERY AOYAMAにて開催した展覧会で、建築家のassistantによる視覚的注釈を構成し、100平米のスペースに250ものオブジェを展開した3Dインスタレーションです。大きなポスターに読むことができる教典のようなものから神話を作り、インスタレーションで展開された宇宙へと繋がっていくというもので、大きな空間を何かが占領することで変化させなくてはと思ったのです。規模が僕にとっては重要で、重量感みたいなものは表現できたと思います。展示を見た人が言うには、他の世界へと足を踏み入れたようだったと、この展覧会でやったことはとても誇りに思っています。

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Vujj™ Kullaberg – Alog Don’t Touch © PMKFA

グラフィックやファッションデザインから、家具のアートディレクションやインスタレーションなど、幅広く活動していますね。制作する上で共通したアイディアや理念はありますか?

共通したアイディアというのはありません。ひとつの公式だけで異なるものを手掛けることはできないと思っています。トレードマークのようなスタイルを強調したいと思わないですし、だからこそ、僕がリピートして何かを表現しているのは見てないはずです。1回か2回やったら次のステップに移りたいのです。PMKFAだと簡単にわかるような特別なスタイルを伴ったものよりも、その作品自体がそれらしさを語る作品作りを心がけています。

インスピレーションの源は何ですか?

色々です。それよりは、アイディアを考え出す新しい方法の発見に集中することにフォーカスしたいです。それは仕事がオフの時ではなく、仕事をしてる時に、思いもよらないような面白いアイディアを思いついた瞬間があったので。そういうチャンネルにどうやって入り込むか、自分をコントロールできるかというのをもっと探っていきたいです。

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ABAGOFGREASE Exhibition © PMKFA

好きな人や物事を教えて下さい。

雑誌「エコノミスト」、報道番組「ミート・ザ・プレス」、スウェーデンのラジオP1のプログラム「Konflikt」、タイガー・ウッズの義父トーマス・ノルデグレン。あと、ロバート・フィスクやロベルト・サヴィアーノも。ティム・ラサート・RIP、セーラム、DJスクリュー、UGK。

過去に世界の数都市を拠点として、現在は東京をベースに活躍していますね。東京で仕事や生活をするどんなところに興味がありますか?

東京は素敵な生活がしやすいところだと思います。テンポが早いので、仕事の量にもいい風に影響しますね。ガールフレンドのためもあり、東京に来て、様々なことを調整しましたが、変化のある生活をしている為非難されることも。どこを拠点にしていても、海外とのクライアントと国際的な仕事をする上で(いろいろ言われるのは)避けられないことなんですけどね。

もう母国のスウェーデンを離れてから10年が経っています。人生の1/3程きて、徐々に自分のナショナル・アイデンティティや論理などが薄れてきてますね。1つの資料として、このことを専門的に見ているんです。より多くの選択肢を得ることができますが、個人的には、もっと複雑なんだけど、特に情が絡んでくるとそれは豊かな資源にもなるんです。

スウェーデンやストックホルムは、近年のクリエイティブな分野では特に発展を遂げている場所のひとつでもありますね。スウェーデン的なものの人気についてどう思いますか?

僕はスウェーデンのクリエイティブシーンから離れてるのであまりわからないです。スウェーデンの規模に対して、そこからアウトプットされるものにはとても驚かされます。でも僕にとってスウェーデンは、どちらかというと仕事というよりは、夜遅くに森の中でディナーを食べる所という印象が強いですね。

次に住むとしたらどこで仕事がしたいですか?どんなことをやっていきたいですか?

ちょうど数日前にロサンゼルスから戻ってきたばかりなんですが、アメリカもいいですね。でもしばらくは日本にいます。最近とても印象深かった場所はアテネです。もっとたくさんの人が訪れるべき素敵な場所ですね。しばらくは仕事について気にもならなかった所です。

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Sixpack DC Shoes Shoebox © PMKFA

今後のプロジェクトについて教えて下さい。

ロサンゼルスで始まったばかりのサイオン・アートツアー6に参加していて、今後6ヶ月間アメリカを巡回します。去年は僕の作品集を出版したシックスパックとのコラボレーションも引き続きあります。

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Sixpack DC Shoes Sector © PMKFA

ロサンゼルスでもうひとつ参加しているグループ展がサイオン・ギャラリーで2月20日から始まるんですが、シックスパックによるキュレーションで、タイトルは「It Was on Earth That I Knew Joy」。

2月末には、僕が手掛けたDCシューズがロンドンのカーナビー・ストリートにあるシューズショップ「Size?」でのイベントでリリースされます。

あと現在、日本科学未来館で「‘おいしく、食べる’の科学展」が開催中で、そのプロモーショングラフィックを全て制作しました。

これ全部楽しみだし、他にどんな展開が2010年にできるか待ちきれないです。

PMKFA
http://www.pmkfa.com
http://www.itsourthing.net(日本国内送料無料)

Text: Mariko Takei

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