庭園都市シンガポールは、第11回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展に三度目となる出展を遂げた。この分野に特化したものとしては世界で唯一のこの博覧会で「スーパーガーデン」と名付けられた今年の展示は、シンガポールのデザイン業界の進展を呈するものである。この展示は、不可視なものを表現した昨年の「シンガポール、ビルト＆アンビルト」と並ぶもので、過程の重要性、背景にある思考をテーマにしている。

アサイラム

異なるデザイン分野から集った22人のデザイナーの対話を並べ、デザインの対話と環境を明らかにする。それはこの都市シンガポールで自身を証明する対話である。写真はアサイラムによる、フローズンヨーグルト店のブランディングのためにデザインされたボタン。

ゼス

「ゼス」、あまり現代的ではない乗り物。アンジェラス・ノーヴァ・スタジオが制作した、世界中から集められたリサイクル鉄やビンテージの部品で再構成された自転車。スーパーハイペリアル・クリエイティヴスによる、ある有名な中心都市を表す風刺写真のために制作された。

ファーム

会話が食べ物を介して行われるという、典型的なシンガポール人の食事の如く、作品は、会話が飛び交う巨大な長いテーブルの上に横たわる。「ファーム」に所属する若手デザイナーによって繋ぎ合わされ、発生する対話の中にあるつながりと関係性が、異なるデザイン分野間の非公式相互セッション「ロヤック」のルーツと起源を辿ってゆく。

レッカー

この作品は、確立されたものではなく新生のものである。若く活動的なデザイナー集団「レッカー・デザイン」はシンガポール人を取り巻く環境を空間展示「巨大な交差点」で表現した。

リンハオ

「リンハオ・アーキテクツ」は、ありきたりな空間形式を「ニュー・オールド・ハウス」という新しい試みの中で再定義した。また、「ファームワーク」はドローイングと模型の境界を空間表現の内に問い直した。

「スーパーガーデン」は、来訪者が残すコメントやフィードバックとともに発展する。そうして対話によるネットワークを育てるのである。この展示は全て、オンライン上で閲覧することができるのをご存知だろうか？スーパーガーデンは、この庭園都市のなかに浮遊するささやき声を増幅させるものなのだ。

スーパーガーデン
会期：2008年9月14日〜11月23日
会場：イタリア・ヴェネツィア（第11回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展）
問い合わせ：デザイン・シンガポール・カウンシル
info@designsingapore.org
https://www.supergarden.sg