第29回 デザイン・フェスタ
毎年その規模を拡大し続けるアジア最大級のイベント「デザイン・フェスタ」 が5月16日、17日の2日間、東京ビッグサイトにて開催された。日本全国、そして世界中から約8500人のアーティストたちが集まり、それぞれのブースで自らの世界観を表現する。
デザイン・フェスタ未経験の人の中には、「トーキョー・デザイナーズ・ウィーク」とか、「デザイン・タイド」など、デザイン系のイベントと似たようなものだと考えている人もいるらしい。しかし、それは勘違いである。もちろん、広い会場で行われる展覧会という意味では共通点もあるが、その規模もケタ違い、そして純粋にデザインと呼べるような作品の出展は、デザイン・フェスタには少ない。
「液体芸術家」を名乗り、不思議な作品を展示する森健二
デザイン・フェスタへの出展には、審査が要らない。国籍も年齢もジャンルも関係なく、オリジナルの作品であれば誰でも出展できる。こういった展覧会というものは、何か特定のテーマに基づいて作品の展示を行うのがスタンダードであるが、デザイン・フェスタではそんなものはない。要するに「なんでもアリ」。「出会う」「体験する」「見る」「買う」「食べる」…私たち観客に与えられている選択肢も様々である。
回を増す毎に規模も大きくなっているが、それと比例するようにそのカオスっぷりも上がっている。一番笑ってしまったのは、2ブース分くらいのスペースを借りて、散らかった部屋を再現し、そこでお菓子やジュースを飲み食いしながら、任天堂のゲームに夢中になっている集団。「何を表現してるんだろう?」と頭で考えてみようと思ったが、彼らの必死にコントローラーを握りしめる姿を見たら、なんとなくそれもバカらしくなってしまった。デザイン・フェスタの「なんでもアリ」の部分でも、まだまだ表現されていない何かがありそうだ。
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