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ソナー 2001

HAPPENINGText: Ben Vine, Terevision Ruiz

金曜日は、ソナー・ビレッジで太陽いっぱい、微笑いっぱい。夜の浮かれた騒ぎで疲れているので、木陰はアストロターフの上で落ち着くのに最適のスポット。少なくとも一人のソナーっ子は、シャワーを浴びるためだけに帰宅しただけで、ベッドの近くになんか行ってないぞ(10時間ものうたた寝をして、爽やかな気分になっている人達と違って)。プレイリストに知っている名前がほとんどないので、動き回って、様々なステージや展示に出たり入ったり、興味を惹いた音楽ならなんでも聞いたりして、一日の大半を過ごす。

僕が本当に期待していた珠玉の一発は、フリッツ・ラングのカルトの傑作「メトロポリス」用のジェフ・ミルズのサウンドトラック。それ自体が優れた楽曲として成り立っているこの新しいサウンドトラックを既に聞いているけれど、映画を観ながらそれを聞くのは全く違うこと。全てのイメージとカットは、音楽と完全に同期され、映画自体と同様にそわそわして悲惨な雰囲気。このイメージと音の完璧な融合物は、つばを飲み込みながら聞いた 80 年代のどんなアーティストのサウンドトラックよりはるかに優れている(素晴らしかったフレディー・マーキュリーのことを覚えてる?)。最高の伝統的作品を美しく再構築したフィリップ・グラスのドラキュラ。上手くできている。誰かがこれを作るのを待っていたんだよ!

午後のほとんどは、特に面白いこともなく時が過ぎ去った。しかし日も終わりに近づいた頃、レモン・ゼリーが登場して、明るいアップビートのセットを演奏した。古典的なファンクを経由し、ラブボートからちょっとフランク・シナトラ(みたいな感じ)で戻ってきて、カントリー・ミュージックの未知の領域をさまよう。この怠惰な午後で、本当に楽しいのは、文句を言ったり日陰をぶらぶら歩く時だけ。

以前に起きた事だけど、次の夜はソナーに行くのをやめようと盲目的に誓ったことがあって、どういうわけか、誰かがそれに賛成した。でも最善の努力にもかかわらず、元に戻って、誰を観に行こうか決めようとしている。最も観たいショーの一つは、ソナー・パブでのレイラ。音の細かなトラブルなんか関係無しに、レイラ・アラブは成功が偶然ではないことを実証する。様々なヴォーカリストの助けを得て、彼女の最も有名なトラックを演奏し続け、主として最新のアルバム「コーテシー・オブ・チョイス」からのマテリアルに集中する。ビジュアル・グラフィックスはシンプルだけど効果的。ミキシングデスク後ろのレイラの動きを記録するカメラが、皆の口を大きく開いたままにする。その後すぐに、アンドリュー・ウェザーオール・アンド・レディオアクティブマンがステージに立ち、優れた映像と共に実験的なテクノを提供する。21世紀のジーン・ケリーとフレッド・アステア。素晴らしい。

マスターズ・アット・ワークがレコードを回しているソナー・クラブ(サッカー場サイズの恐ろしく大きいステージ)をチェックする時間。ハウスはそれほど好きじゃないけど、想像的でいきいきとしたセット。彼らは本当に自分達の材料を良く知っている!ペースは、心地よく安定しており、ハウスを連想させるような単調なリズムじゃない。これらの曲は、素晴らしく、複雑で、多様なリズムを持ち、常にクールでファンキーなエッジを持つソリッドなベースラインで支えられている。僕はハウスにちょっとうんざりしやすいんだけど、全ての曲が印象深い。これこそ最良のハウス。 10 年前から思い出したみたい!とっても楽しい。80年代に愛したへんてこな古典や恥ずかしい曲の世界に僕達を滑りこませ、「ライド・オン・タイム」からメロディックなピアノ・インストルメンタルに至るまで全てをシームレスに混ぜ合わせる。僕らが空想にふけっていると美しいアカペラをひょいと入れたりさえする。そんなこんなで、朝の4時!フランキー・ナックルズにデッキにつくチャンス与える時間。彼は名声に忠実に、原盤では終わりの地点から音を拾って完璧に作りかえる。1時間前にぐったりしちゃうと思っていたのに、今はビンビンに元気。フランキーのセットは最高で、次に続くのはマスターズ・アット・ワーク。変化に富んでいて、誘惑的、がんばっているから、彼が終わる6時までは帰れない。ハウスが良かった一日。

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