イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル
HAPPENINGText: Alma Reyes
サンローランのアートへの貢献を示す第9章「アーティストへのオマージュ」では、モンドリアン、ピカソ、ブラック、マティスなど、有名なアーティストへのオマージュ作品が紹介されている。丈が短く直線的で抽象的な《カクテル・ドレス―ピート・モンドリアンへのオマージュ》は、モンドリアン的な原色とグリッド模様を配したジャージー素材の作品で、1965年秋冬オートクチュールコレクションで発表された。《ドレス―パブロ・ピカソへのオマージュ》は1979年秋冬オートクチュールコレクションで発表された作品で、キュビズム的なモチーフとハーレークイン的なモチーフが絹ベルベットと刺繍で融合されている。
カクテル・ドレス―ピート・モンドリアンへのオマージュ、1965年秋冬オートクチュールコレクション © Yves Saint Laurent © Alexandre Guirkinger
演劇、バレエ、ミュージカル、映画向けに制作された優雅な衣装も数多く展示されており、思わずため息がもれる。これらの作品は、サンローランの絶え間ない情熱の賜物なのだ。『シラノ・ド・ベルジュラック』(1959年)、『フィガロの結婚』(1964年)、ジャン・コクトー作の『双頭の鷲』(1978年)、そして女優のジュヌヴィエーヴ・パージュ、カトリーヌ・ドヌーヴ、アニー・デュプレーのためにデザインされた衣装も含まれている。
演劇作品のためのスケッチ Photo: Alma Reyes
他にも、壁一面に展示された厳選されたジュエリーや、帽子、衣装スケッチ、素敵な「LOVE」のグリーティングカードなどが展示されている。イヴ・サンローランの伝説を紹介する本展は、ファッションとアートにおける彼のずば抜けた存在を如実に物語っている。
好奇心のキャビネットジュエリー Photo: Alma Reyes
『私は、ファッションというのは女性を美しくするだけでなく、安心感と自信を与え、自分と折り合いをつけるためにあるものだと信じてきた』(イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル、国立新美術館、2023年)― イヴ・サンローラン、2002年 © Musée Yves Saint Laurent Paris
イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル
会期:2023年9月20日(水)〜12月11日(月)
開館時間:10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
※入場は閉館の30分前まで
休館日:火曜日
会場:国立新美術館
住所:東京都港区六本木7-22-2
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://ysl2023.jp
Text: Alma Reyes
Translation: Yu Fukai