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「それは知っている:形が精神になるとき」

HAPPENINGText: Alma Reyes

金沢21世紀美術館で開催中の「アレックス・ダ・コルテ 新鮮な地獄」と同時開催の「コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき」が11月5日まで開催されている。形と精神の関係は、世界を認識し解釈する能力に関わる普遍的なテーマとして、古来より探求され続けている。芸術は、このような知覚を探求する上で「形」が重要な役割を果たし、そして「精神」と呼べるようなものとどのように結びついているかを、またその逆もまた然りであることをより深く理解する手助けをする。本展では、1960年代から最新の作品まで、当館が所蔵する絵画、彫刻、写真、ビデオ、インスタレーションなど様々なコレクションと、本展に合わせて招へいしたアーティストの作品を組み合わせることで、様々な形同士の関係が知っている精神のプロセスをめぐる旅へと誘う。


リジア・クラーク《動物ー二重の蟹》1960年 金沢21世紀美術館蔵 © “The World of Lygia Clark” Cultural Association, Photo: Taku Saiki

最初の展示室「つながり合うパターン」では、ブラジル人アーティスト、リジア・クラークによる蝶番のついた可動式のアルミニウム板を組み合わせた作品《動物》(1960年)を紹介。鑑賞者は自由に動かして様々な形を生み出すことができ、作品と鑑賞者との双方向的な関係性を生み出す。クラークは、「動物」は鑑賞者が動かすだけではなく、作品自らが動き出すような「生命」であると述べている。

『どの作品も根本的には有機的な性格をもっていたから。それに、板どうしをつないでいる蝶番をみると、私は脊髄を連想するのだ。金属板の配置を変えると「動物」の体勢が変わる。一見すると、体勢は無限にあるようにみえる。「動物」ができる動きはいくつあるかと訊かれると、私はこう答える。「私にはわかりません。あなたにもわかりません。でもそれ(「動物」)は知っている……」』。(リジア・クラーク『動物1960』より)


川内倫子《無題》2020年 金沢21世紀美術館蔵 © Rinko Kawauchi

川内倫子は、主に写真によって日常の断片が持つ曖昧さ、生と死の脆さや危うさ、畏れといった生命に潜む独特の雰囲気を表現する作品を生み出している。それらはしばしば夢のような輝きを放つ光で表現され、私たちの瞑想的な思考をくすぐる。展示室「惑星的な結びつき」では、幽霊のような存在感を放つ白い動物の形、森の日差しを浴びる二人の子供、泡や霧のイメージなど、穏やかな色彩の風景が広がる。また、「Mother Earth(母なる地球)」と「Me(私)」を意味する映像作品《M/E》は、一見無関係に思える様々なイメージから「私」と「地球」のやわらかな連鎖を印象づける。


イ・ブル《出現》2001年 金沢21世紀美術館蔵 © Bul Lee, Photo: Alma Reyes

目を引く展示室のひとつが、幻想的な世界やスピリチュアルな世界における幽霊的な形を表現する作品を紹介する「幽霊の形/形の幽霊」。青木克世、樫木知子、イ・ブル、中川幸夫、沖潤子の5人のアーティストが、生と死の間の、時や次元を超えた表現の作品で私たちの意識をかき立てる。特に目を引いたのは、クリスタルとガラスビーズ、ポリウレタン、ステンレスを身にまとった女性像が吊るされたイ・ブルの《出現》(2001年)とインクで描かれたドローイングなどによる「モンスター」シリーズ。SFから古典的な神話に至る様々な文化的引用をもとに、未知のものへの恐怖や身体とテクノロジーの関係を表現している。また、中川幸夫の血で覆われたような《聖なる書》(1994年)を不気味に見つめてしまうかもしれない。

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