内沼晋太郎

PEOPLEText: Yuko Miyakoshi

好きなアーティストを教えてください。

過去のものはもちろん沢山観ていますが、どちらかというと同世代で同じ問題意識や違和感を共有できるアーティストにいつも興味があります。元々僕は、YUKARI ART CONTEMPORARYというところに所属の泰平君と、飯田竜太君と三人で「森」っていう名前でアートユニットをやっていまして、彼らの作品は凄く好きです。二人とも本を素材にしたりモチーフにしたりして作品を作ったりしているんです。NAMも凄く好きです。そういうアーティストとは、活動をしているうちに自然とどこかで繋がるし、話も合う。先ほどもお話したようにアートはアクチュアルなものだと思うので、そういう感覚を共有できる作品や、実際のアーティストとの関係性の中で生まれるものが好きですね。

最近の活動について教えてください。

今手がけてるのは、読書生活用品のブランドのプロデュースです。本棚に始まり、ブックエンドやブックカバーやお風呂で本を読むための道具、本をしまうための段ボールといったものを扱うブランドの立ち上げをやっていて、もうすぐ正式にリリースになります。

それから僕の独自のプロジェクトで、書き込みのある本だけを扱う本屋というのを進めています。色んなアーティストに頼んで自分の好きな本に、例えばイラストレーターだったら余白にひたすらイラストを描いてもらうとか、写真家だったら小説の内容にインスピレーションを受けて撮った写真を挟んでもらうとか、その本を素材にして一点ものの本を作ってもらう予定です。本って、最初はマスプロダクトなんですけど、ちょっと線を引いたり書き込みをした時点で世界に一冊しかないじゃないですか。その楽しさみたいなものを、もっと共有するようなブランドをやりたいんです。最初は20人ぐらいのアーティストに作ってもらったものと、一般の人から買い取った、書き込みのある本を一緒に扱うということを、出張ショップのような形でやろうと思っています。

これからどんな活動をしていきたいですか?

最近はラジオをやってみたいなと思っています。Ustreamが流行り始めた時に、「ヌマブックス・トーキングパブリッシャーズ」という名前で、僕が色んなクリエイターにインタビューするチャンネルをやっていたんです。トークをUstreamで配信することも広義の出版だし、たとえばそのトークを元に本を作ることと本質的にどう違うんだろう、みたいなことを考えてしばらくやっていました。やってみて、映像はいらないかもしれないと思った。ラジオは、何かをしながら聞ける、究極の「ながらメディア」なんですよ。忙しい現代人にはまだまだ可能性がある、耳から何を吸収するか、ということでまだまだやれることがある、これからのメディアなんです。僕らの世代の色んなことに興味がある人が普通に聞けるような、ゲストと深い部分の話をきちんとできる番組をやってみたいなと思ってます。

あとは海外の仕事をやってみたいですね。ずっと、世界は日本よりも広くて、自分が必要とされることなんてないと思っていました。でもよく考えてみたら、どこかに問題があってそれを解決しなきゃいけないということは同じで、アイディアが必要されているのだとしたら、僕にもできるということに最近になって急に気がついたんです。どこか遠くの国の出版社が別のビジネスをやりたいんだけど、どうしたらいいかな、とか、企業がつぶれそうでブランディングをやり直したいとか、コンテンツに関わることとか、何でもいいんです。せっかくインターネットと飛行機があればどこにでもいける時代に生まれたので。もし海外から声がかかったら、ぜひやってみたいです。

NUMABOOKFACE
会期:2011年5月31日(火)〜7月31日(日)
時間:11:00〜19:00(月曜日休館)
会場:IID (世田谷ものづくり学校エントランス)
入場料:無料
主催:numabooks、NAM
協力:IID (世田谷ものづくり学校)
https://numabooks.com

Text: Yuko Miyakoshi

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
スネハ・ディビアス
MoMA STORE