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デマニフェスト

THINGSText: Sachiko Kurashina

デマニフェストは、作り手であるアーティストのテイストが全面的に散りばめられた作品集。元アティックで、現在はフリーランス・デザイナーとして活動する、マイケル・スポルジャリックとスティーブ・ジョンストンの制作により、ドイツのゲシュタルテン出版社からこの3月にリリースされた。フォントからシルクスクリーン、そしてグラフィティまで。様々なアートワークを味わえるこの作品集について、お二人にお話を伺った。

まずはじめに自己紹介をお願いします。

マイケル(以下M):ニューヨーク州立大学パーチェイス・カレッジを卒業した後、1997年からアティックでの活動を始めました。アティック時代は、コマーシャル・キャンペーンやブランディング・プロジェクトを主に手掛けていました。そこでの活動は2002年まで。2000年にパントンという、これから需要が増えるであろう、エクスペリエントなプロジェクトに関するリサーチを行う会社にも参加。現在は、ブロードキャスト・デザイナーとして、R!OTマンハッタンで働いています。コマ−シャル的な作品以外にも、ペイント作品を個人的に多く制作しています。R!OTでは、ブロードキャスティング・デザインを主に手掛けています。

スティーブ(以下S):北イングランドにあるヨークで、デザインと写真を勉強した後、ヨークにあるカレッジで、デザインとレクチャーの教鞭をとっていました。1999年にパントンを設立。パントンは、音楽やデザインのプロジェクトを行うリサーチ会社です。アティックに参加したのは、同じ年の後半から。マイケルが、アティックのニューヨーク支社で働いていて、彼と会ったのはそこでです。太陽を追い駆けるように、僕はアティックのシドニー支社での活動を開始。今回制作した「デマニフェスト」が完成するまで、シドニーで働いていました。

今回その「デマニフェスト」という本を、ドイツの出版社ディ・ゲシュタルテンから3月に出版されましたが、どのようなきっかけでこの本のリリースにまで至ったのでしょうか?

S:イタズラっぽいメールが来たんですよね。あと、酔っ払いに大声で説得された感じ。

M:スティーブとは、「ノイズ4」や「タイポグラフィー21」というプロジェクトを一緒にやったことがあるのですが、そういった経験を積んでいるうちに、注文された通りに特徴を描写したり、ある一定の期待に応えるようなデザインではなく、僕達だけのものを作りたい、という気持ちが芽生えて来ました。ゲシュタルテンは、グラッフィク・デザイン書の出版社の中でも最高峰の一つ。そんな訳で、彼らと一緒に活動するのは、ある意味正しい選択ではないかと思いました。

「デマニフェスト」は、どのような内容になっていますか?またタイトルにはどのような意味合いが込められているのでしょうか?

S:「デマニフェスト」には、英文で使われるピリオドのようなもので、あるひとつの作品が完成したポイント、そして次の「マニフェスト(明白なもの)」へのポイント、という意味があります。次の段階へ前進するために、ある程度のプロセスを踏む必要がありましたが、これは僕達にとっては、はじめての出版物ですし、僕達なりにも、新しい展開がスタートした、という感じです。本の題名は、どのプロジェクトにおいても、何か新鮮なものを作り出す、という僕達の決意を表しています。

M:コンテンツも様々なんですよ。ある一定のスタイル、というのもはこの本にはありませんが、本の至る所で、個人が作った、という手作り的な感触が感じられると思います。過去2、3年の間に蓄積しておいたアイディア、プロジェクト、経験、スケッチ、スクラップブックなどから作品を抜粋しました。

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