SHIFT 2005 カレンダー
THINGSText: Naoko Fukushi
フレッシュなクリエイター発掘を目的に、オンラインマガジン「SHIFT」の企画で2003年より毎年行われている「SHIFTカレンダーコンペティション」。本コンペティションの応募総数は回を重ねるごとに増え、3回目の開催となる今年は、世界47ケ国から860作品が集まった。そこから選び抜かれた12作品がそれぞれの月を飾る、小さなアートブックのようなカレンダーとなって誕生。
作品は、三菱製紙株式会社の運営するグラフィックス作品プリントアウトセンター「PRINT’EM」の協賛により、「PRINT’EM」ウェブサイトでも1年間展示され、お気に入りのビジュアルは大判ポスターとして購入することができる。
また、2005年1月には、札幌のギャラリーカフェ「SOSO」で、PRINT’EMによりA0サイズにプリントされた珠玉の作品たちが展示される展覧会も行われる。
選ばれた12作品は以下の通り。作者のコメントと作品解説と共に、作品の数々をご覧下さい。
ナディア・ハント (ニュージーランド)
フリーランス・テキスタイル/グラフィックデザイナーでイラストレーター。フルタイムの理想主義者でパート・タイムの旅行者。
世界中の様々なクライアントを持ち、ファッション関係や、雑誌などで活躍中。
彼女の生涯の目標は、自身のドローイングで世界を描くこと。
作品解説:
憂鬱なバニー・ボーイ!うさぎ耳の少年を良く見て。見た目ほどキュートではないですよ。
リュウ・トモアキ (日本)
1980年生まれ。ロンドン在住24歳。19歳からイギリスへ渡英。セントラルセントマーティンズ大学グラフィックデザイン科卒。現在フリーで活動。企業のロゴから広告、洋服のイラストやデザインなど手掛けている。
作品解説:
僕は今回のテーマの捉え方として見る人をよりユーモアと繋げる事を目的に、今の時代の空気感みたいなものを表現できれば良いと感じ制作しました。日常の美意識に重点を置き、自然、音、日本画やコミック等からインスピレーションを受け、自分のフィルターを通す事で実験的なアプローチができたのではないかと思っています。これからはイラストレーションという枠に捕われずにFLASH等を使いアニメーションにも取り組んでいく事でもっと表現の幅が広がるのではないかと考えています。作品を見て色々と感じとってもらえると嬉しいです。
横田法哉(UNDER THE MAIDENHAIR) (日本)
24歳。京都出身、現在名古屋在住。大学でグラフィックデザインを学び、学生の頃から引き受けてきた某メーカーのデザインワーク全般を卒業後も継続。某大手GMSとコンペにより商品パッケージが選出され取り引きを開始する。その他グラフィック、イラストレーション等を中心に活動。コンセプトから生まれた素晴らしいアイディアと意志を尊重し、グラフィック、プロダクト等あらゆるデザインを問はず普遍的に素晴らしいクリエイティブを生みたい。受賞、展覧会多数。
作品解説:
パーソナルな部分を意識して0.3ミリ以下のペンで描いた手書きのイラストレーションを使用した。SHIFTのようなある種のカルチャーを含んだデザインアーカイブと感性がリンクしたことがとても嬉しい。せっかくこういったパブリックな場所に登場することができたので何か共感した方、興味ある方は気軽にアクセス下さい。
オオバユウスケ (日本)
札幌デザイナー学院のグラフィックデザイン科を経て、札幌でデザイナーとして活動中。札幌を愛する24歳。
作品解説:
ひとつのカタチから溢れだす不規則な方向性。
自我はひとつ。しかし答えは無限。
自分の方向性を模索する全ての方に送ります。
ティル・リッカート (ドイツ)
28歳。ワイマールのバウハウス大学でデザインを勉強中。あらゆるデザインとアートに興味があり、イラストから、ビデオ、アニメーション、テキスタイルなど分野は問わず、自分の興味のあるものを自由に表現したいと思っています。
作品解説:
この作品は、日本の電線の写真のコラージュから派生しています。この美しい絡み合いに魅了され、そこにドローイングを加えることによりテクスチャーをつけ、あとは自由に線を引いていきました。
岡田茂 (日本)
’73年伊万里生まれ。’00年まで彫刻を制作ののち、’04年1月、妻と2人で「オカダン・グラフィック」を立ち上げ、現在、広告デザインなどを手がける。福岡市在住。
作品解説:
炎と煙の形を簡素化し“+”や“≦”などの記号と同じく扱うことで、2つのものを繋げるといった連作の一つです。どのような関連性で、また、どちらを主体として観るか等はそれぞれの方にお任せします。このグラフィックが、私と、これを観ていただく誰かを良い関係で結び付けてくれたらと思っています。
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