ソナー 2010
ソナードームの様子を伝えたあとは、MACBA(現代芸術美術館)の中にあるソナーコンプレックス・ステージへと話を移そう。私にとってここはフェスティバルの中でも最高のステージの一つであり、ポピュラーで人でごった返しているというようなことがおよそない場所だ。実験音楽やアバンギャルド音楽のとても興味深いバンドやパフォーマーたちのリスキーなライブが披露される。
DP-S
初日のライブでは、パトリック・パルシンガーの新しいプロジェクトであるDP-Sを披露。アナログシンセとモジュラーシンセのサウンドを探究したものだ。目を見張るようなパフォーマンスだった。
Cluster
フェスティバルのハイライトのうちの一つで、私の記憶に残っているのは、ベテランアーティストでありカルトなドイツ人クラスターによる宇宙的でミニマルなパフォーマンスだ。このようなスタイルはソナーコンプレックスの重要性の一つである。初日は最高のステージだった。もしも他のステージでのパフォーマンスが最終日のためのウォーミングアップだったとしたら、ソナーコンプレックスは最初から全開であったといえよう。
bRUNA
Bradien
2日目を迎えるまで、ソナーコンプレックスはエレクトロとアンビエントを混合したようなbRUNAのパフォーマンスなど地元ミュージシャンを集めた。エキゾチックで豊かなサウンドをつくりだす地元バンドのブラディエンは、メロディーと楽器音が万華鏡のように混じり合った音楽を演奏した。
Emilio José
実験的なアプローチと即興的な演奏による深い音の重なり合いを聴かせる次なるバンドは、土曜の早朝に行われた地元のナーワルだった。激しいフォークとやさしいメロディーを折紙のように精緻に組み合わせ、誠実なでまっすぐな歌詞をのせ演奏したのは、ガリシア州のアーティスト、エミリオ・ホセだった。ほかにソナーコンプレックスで演奏したのは Macromassa(スペイン)、レスリー・フラニガン(アメリカ)や、アメリカのサウンドアーティストのフィル・二ブロックとカルロス・カサスだ。
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