サマーケース 2007
毎年恒例のプリマベーラサウンドとソナーに続けと、バルセロナで最も重要な音楽イベントになるべくして、サマーケースが今年で二回目を迎えた。
他のフェスティバルとの大きな違いのひとつ、そしてこのフェスティバルを最も価値のあるポイントとして、集客のうちの75%がスペイン人、そしてスペイン各地から来ているという事実がある。他の2つのフェスティバルではほぼ同じパーセンテージが外国からの来客であり、この事実はかなり大きな違いをもたらすのだ。
今回はマドリードとバルセロナで同時に行われ、109,000人もの観客が訪れた。
2007年度のラインナップは素晴らしく、エール、ジーザス・アンド・メリー・チェイン、アーケイド・ファイヤー、フレミング・リップス、ピージェイ・ハーヴィ、!!!、ブロック・パーティ、ケミカル・ブラザーズ、OMD、ジャービス・コッカー、そして輝かしい才能を持ったニューカマー達、ザ・ゴシップ、リリー・アレン、ザ・グリマーズ、エディターズ、1990sアンド・ザ・ビューのようなアーティスト達を見ることができた。
Lily Allen
このようなセレクトでバルセロナフォーラムは、カナダ出身のバンド、ザ・ヒドゥン・カメラズで始まりを告げ、彼の甘いメロディックなポップがターミナルEのステージをすでに熱狂的に盛り上げていた。そのすぐ後に、ロンドンのストリートサウンドのニュープリンセスこと、リリー・アレンがデビューアルバムから「Alright, Still」をシャープなリリックとともにパフォーマンスを繰り広げた。
The Editors
その間にオープンエアーターミナルOでは、ザ・エディターズが「SMOKERS OUTSIDE THE HOSPITAL DOORS」からのヒット曲とともに、セカンドアルバム「AN END HAS A START」からのナンバーを聴かせ、オーディエンスを沸かせる。
ターミナルSではその後、最も期待されていたコンサートのひとつが行われようとしており、オーディエンスがテントステージの小ささに悲鳴をあげていた。しかしピージェイハーヴィがお姫様のような格好をしてギターを奏でたソロコンサートは、サマーケースの中で確実に心に残る時間であった。
PJ Harvey
他とのアーティストセレクションの違いはサマーケースにおいて重要な部分である。
ピージェイ・ハーヴィのコンサートの後、オープンスペースのターミナルEでは、ザ・フレミング・リップスによる活気にあふれるショーが行われていた。
The Flaming Lips
陶酔したようなウェイン・コインに連れられたオクラホマの格好をした男達が、沢山のおもちゃをもってステージに現れ、巨大なグリーンのバルーンや、紙吹雪、レーザーライトと共に20人以上がサンタクロースや他のキャラクターに仮装して踊っていた。曲目は新旧問わずヒット曲の連発。ひとつつけ加えるとすれば、実は、このパフォーマンスは1年前に彼らが行ったものと同じなのだ。次回は何か新しいアイディアが浮かぶといいのだが…。
The Arcade Fire
深夜を過ぎたところで、皆が待ち構えていたアーケイド・ファイアーをターミナルOは完璧に満員の状態で迎えいれた。彼らのエネルギーに満ちた姿勢と人々の気持ちをどこまでも高めていくサウンドは、確実に今年のサマーケースでの一番のショーだったといえるだろう。ビッグヒットとなった「Funeral」からの曲はもちろん、さらに彼らの名前を世に知らせたニューアルバム「Neon Bible」からの曲も最高だった。
初日の夜がシザー・シスターズのおふざけなディスコグラムサウンドによってパーティタイムに変わってゆく。
2Many Dj’sによってダンスタイムは土曜日の朝まで続き、人々は熱狂的に最後まで踊り続けていた。
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