コンフラックス 2009
HAPPENINGText: Carlos J. Gómez
9月17日から20日までの週末の間、ニューヨークは創造と表現の実験室に変身した。これは「 コンフラックス・都市心理地理学フェスティバル」の一貫である。ギィ・ドゥボールによって作られた「心理地理学(サイコジオグラフィー)」という用語は、社会が都市空間をどう知覚していくのかを研究する分野を表す。6年目を迎えた今回のイベントには、「Glowlab」によって選ばれたアーティスト、科学者、理論家、そして都市愛好家たちが集い、ニューヨーク大学ステインハード文化学部の協力のもと市内の様々な区で40種類のワークショップと75種類のプロジェクトが催された。
プロジェクトは、都市空間を舞台としてパフォーマンスから最新テクノロジーを用いたDIYのインスタレーションまで多岐に渡った。注目の作品はジェイミー・アレンの「ロボ・ポエム」。カスタマイズされた機械の箱が歩道に並べられ、詩をサンプリングした音声を発し歩行者を驚かせる。
「ザ・アーバン・ディスオリエンテーション・ゲーム(都市における方向感覚喪失ゲーム)」は誘拐を模したプロジェクトで、参加者は目隠しをされて市内の離れた場所まで連れて行かれ、そこから徒歩でコンフラックス・ギャラリーまで戻ってこなければならないというもの。
「ニューヨーク『音』ガイド」は、街の中にある物を叩いていかにビートを刻むかを表現したプロジェクト。
「アーバルーン(都市気球)」では、大きな気球にビデオプロジェクターを搭載し、一般の人によって制作された映像をトンプキンズスクエアパークに投影した。
コンフラックスのようなフェスティバルは、都市空間をいかに体験し、いかに市民と共有するかを豊かに想像する手助けをしてくれる。こうしたクリエイティビティを活性化させ続けるためにも、2010年の開催が楽しみである。
Conflux 2009
会期:2009年9月17日(木)〜20日(日)
会場:ニューヨーク市内のあらゆる場所で開催
https://confluxfestival.org/2009/
Text: Carlos J. Gómez
Translation: Shiori Saito
Photos: Carlos J. Gómez